【原発避難者から住まいを奪うな】「住宅無償提供打ち切りの根拠を具体的に示せ」など、裁判長が双方に詳細な求釈明 ~「住まいの権利裁判」第4回口頭弁論
- 2023/03/23
- 16:39

昨年3月、国家公務員宿舎に入居する区域外避難者11人が福島県知事を相手取って起こした損害賠償請求訴訟(住まいの権利裁判)の第4回口頭弁論が22日夕、東京地裁103号法廷(大嶋洋志裁判長)で行われた。福島県は退去などを求める反訴状と第4準備書面を陳述。避難者側は反訴状に対する答弁書、第5準備書面を陳述した。大嶋裁判長は双方に細かく求釈明。福島県が住宅無償提供打ち切りの根拠や親族訪問時のやり取りなどについてどう...
【12年目の「ふるさと津島」はいま(後編)】「原発事故さえなければ…」泣く泣く実家の解体決めた妻 そして生活環境整わぬまま〝拠点内〟の避難指示解除へ
- 2023/03/18
- 19:07

帰還困難区域に指定された浪江町津島地区では今月末に一部の「特定復興再生拠点区域」が避難指示解除される。「3・11」から一夜明けた12日、福島県中通りで避難生活を送る50代の夫妻に、自宅のある津島地区を案内してもらった。避難指示解除と言っても夫妻のような〝拠点外〟が大半で、しかも帰還意向を示さないと除染の対象にすらならない。バリケードの向こう側で朽ちて行くわが家。豊かな生活を奪った原発事故への怒りと続く放射...
【12年目の「ふるさと津島」はいま(前編)】バリケードの向こうで朽ちていくわが家 解体へ揺れる心、続く放射能汚染、帰還意向尋ねる国への怒り
- 2023/03/16
- 18:21

帰還困難区域に指定された浪江町津島地区では今月末に一部の「特定復興再生拠点区域」が避難指示解除される。「3・11」から一夜明けた12日、福島県中通りで避難生活を送る50代の夫妻に、自宅のある津島地区を案内してもらった。避難指示解除と言っても夫妻のような〝拠点外〟が大半で、しかも帰還意向を示さないと除染の対象にすらならない。バリケードの向こう側で朽ちて行くわが家。豊かな生活を奪った原発事故への怒りと続く放射...
【いわき市民訴訟】「国への忖度判決だ」仙台高裁で控訴審判決 原発事故に対する国の責任認めず 慰謝料額も低く「生命身体の危機」がわずか30万円~住民側は上告へ
- 2023/03/11
- 08:03

福島第一原発事故が発生した2011年3月11日当時、福島県いわき市で暮らしていた1500人以上が「低線量汚染地域及び収束に程遠い福島第一原子力発電所近くで日常生活を余儀なくされていることへの責任と継続的被害を認め」て起こした「いわき市民訴訟」で、控訴審判決が10日午後、仙台高裁(小林久起裁判長)で言い渡された。小林裁判長は、大津波の予見可能性と過酷事故回避可能性を認め、国の規制権限不行使を厳しく断罪しながら最...
【12年目の福島はいま】南相馬の語り部が伝える原発事故被害のリアル 「想像力を働かせて、自分事として考えて」「放射能汚染は〝距離〟じゃない」
- 2023/03/05
- 20:25

2011年3月の福島第一原発事故から12年。福島県南相馬市の高村美春さんは「東日本大震災・原子力災害伝承館」(福島県双葉町)で来館者向けに自身の経験を伝えているほか、福島県外にも訪れて講演を行っている。4日午前には、福島県の語り部派遣事業で栃木県防災館(宇都宮市)で講演。避難するべきか悩み考えたことや放射能汚染は距離では線引きできないこと、避難者を追い詰める「賠償金もらってるんだろ」という圧力などについて...
【143カ月目の汚染水はいま】「理解」深まったと言えるのか〝常磐もの〟イベント会場で聞いてみた 海洋放出に賛成?反対?
- 2023/02/27
- 13:41

反対の声を無視して7月にも強行されようとしている原発汚染水の海洋放出計画。海外の国々からも反対の勧告が出されているが、首都圏に暮らす人々は海洋放出計画に賛成なのか反対なのか、そもそも知らないのか。26日まで都内で行われた「発見!ふくしまお魚まつり」会場で〝常磐もの〟を味わう人々40人にシール投票してもらった。国も東電も「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」との言葉を撤回していないが、「理解」な...
【浪江原発訴訟】「避難先で楽しんでる」「賠償金でタワマン買った」…原発事故被害の実相無視した東電代理人弁護士の反対尋問に呆れる浪江町民~福島地裁で第16回口頭弁論
- 2023/02/21
- 20:57

集団ADRでの和解案(慰謝料一律増額)を東京電力が6回にわたって拒否し続けた問題で、浪江町民が国や東電を相手取って起こした「浪江原発訴訟」の第16回口頭弁論が1月31日、福島地裁203号法廷(小川理佳裁判長)で終日行われた。被告東電が申請した5人の原告に対する本人尋問。長引く避難生活での苦痛やふるさとはく奪などには目もくれず、東電代理人弁護士は原告たちを責め立てるような尋問に終始した。次回期日は今月27日。次回...
【東電刑事裁判】「必要な対策を講じてこなかった国や事業者を免罪する危険な論理」控訴審判決受け郡山で報告集会 「細田裁判長は誰に忖度しているのか?」との声も
- 2023/02/19
- 19:23

2011年3月の福島第一原発事故に対する東電旧経営陣の刑事責任を問う「東電刑事裁判」で、1月18日に東京高裁で言い渡された控訴審判決(控訴棄却)に関する報告集会が12日午後、福島県郡山市で行われた。2時間近くにおよんだ判決言い渡しを傍聴した福島県民たちが「細田裁判長は誰に忖度しているのか」などと怒りを口にしたほか、海渡雄一、大河陽子両弁護士が判決の問題点を解説した。指定弁護士は既に最高裁に上告しており、福島...
【143カ月目の汚染水はいま】雨中の抗議「海に流すな!」小名浜で〝13日スタンディング〟 太平洋の島々からも続々と「海洋放出NO」の声
- 2023/02/14
- 05:47

2021年4月13日に政府が海洋放出方針を決定したことに抗議し、福島県の市民団体「これ以上海を汚すな!市民会議」(織田千代、佐藤和良共同代表)が中心となって毎月続けているスタンディングが今月も、いわき市小名浜で行われた。朝から雨が降り続いたが、いわき市民たちが改めて「あきらめずに海洋放出を止める」と声をあげた。国や東電は夏までに海洋放出を始めたい考えだが、漁業者は反対姿勢を貫いている。太平洋の島々からも...
【原発避難者から住まいを奪うな】福島県職員が驚きの発言 国連特別報告者の予備的所見を「あれはダマリーさんの個人的なご意見」と一蹴
- 2023/02/03
- 21:28

昨年9月26日から10月7日まで行われた国内避難民の人権に関する国連特別報告者セシリア・ヒメネス・ダマリーさんの訪日調査に関し、福島県は3日、ダマリーさんが公表した「予備的所見」を「個人的なご意見」と一蹴した。同日午前にリモートで行われた「ひだんれん」などとの話し合いの席上、県職員が発言した。最終報告書は今年6月に国連人権理事会に提出されるが、現時点での「予備的所見」も特別報告者の公式な見解であることには...
【子ども脱被ばく裁判】〝子ども人権裁判〟二審も敗訴 汚染・被曝リスクの司法判断避け「安全な地域で教育を受ける権利」退ける~仙台高裁
- 2023/02/02
- 15:37

原発事故後の福島県内の被曝リスクや行政の怠慢を正面から問う「子ども脱被ばく裁判」の控訴審で、審理が分離された行政訴訟(子ども人権裁判)に対する判決が1日午後、仙台高裁で言い渡された。石栗正子裁判長は一審・福島地裁判決を全面支持。中学生以下の子どもが求めた「安全な地域で教育を実施すること」など3つの請求をすべて棄却した。一審同様、原発事故後の汚染や被曝リスク、法の欠缺、規制基準の甘さへの判断は避けてお...