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【回顧2017】避難先で自ら命を絶った〝自主避難者〟のAさん。「県民と共に」と胸を張る陰で〝自主避難者〟の切り捨て進めた内堀知事~追悼文に代えて

今年もいよいよ大みそか。様々な取材の中で最もつらかったのが、福島県中通りから都内に〝自主避難〟してきたAさんの自死だった。3月末で住宅の無償提供が打ち切られるなど、〝自主避難者〟にとってはつらい1年となった今年、山形県では、米沢市の雇用促進住宅に入居する避難者が退去を求めて訴えられるという異常事態も起きた。福島県の内堀雅雄知事は今年の漢字に「共」を挙げたが、言葉とは裏腹にAさんの死は記録にも残らない。...

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【山林火災と放射性物質】「十万山から放射性物質の飛散は無かった」。鎮火から7カ月目、事実上の〝安全宣言〟。一方で「さらに慎重な検討が必要」とも

〝2017年の福島〟で絶対に外せないのが、浪江町と双葉町の帰還困難区域にまたがる国有林「十万山」(福島県双葉郡浪江町井手)での山林火災だ。このほど、福島県などがまとめた中間報告は、火災による放射性物質の二次拡散を否定した事実上の〝安全宣言〟。「今すぐ健康に影響を与えるものでは無い事が分かった」と結論付けているが、一方で「さらに慎重な検討が必要」とも。高濃度汚染山林での火災鎮火から7カ月。本当に放射性物...

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【県民健康調査】やはり〝ザル〟だった甲状腺ガン患者数の集計。漏れていく原発事故後のガン患者。福島県立医大は「本格検査受けていない」と把握に消極的

公式データに載らない甲状腺ガン症例が再び発覚した。原発事故後、福島県が実施している「県民健康調査」の第29回検討委員会が25日午後、福島県福島市で開かれ、清水一雄委員が自身が執刀した患者がデータに含まれていないと指摘。福島県立医大側は「本格検査を受けずに医療機関で甲状腺ガンと診断された症例はデータに含まれない」と〝開き直り〟とも言える姿勢。9月30日現在で「悪性ないし悪性疑い」と診断された194人以外にもさ...

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【自主避難者から住まいを奪うな】「寄り添う」言葉の裏で切り捨て進める内堀知事、都内イベントで避難者らが〝直訴〟 小池都知事は帰還を促す問題発言

今年も〝自主避難者〟の怒りが会場に響いた。23日、JR有楽町駅前の東京国際フォーラムで開かれた「FUKU FES 2017 ふくしま大交流フェスタ」(福島県、東京都共催)で、ステージ上の内堀雅雄福島県知事に「住まいを奪うな」と〝直訴〟した。だが、内堀知事は来年も帰還促進を加速させる。オープニングセレモニーに出席した東京都の小池百合子知事は「(避難者は)福島に戻っていただく」と問題発言。夕方に顔を出した吉野復興大臣も...

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【就労不能損害賠償】「不条理なルール甘受出来ぬ」。飯舘村・伊藤さんが意見陳述。東電は「因果関係のある就労不能損害ない」と準備書面~第2回口頭弁論

原発事故による就労不能損害に対する賠償を、東電が一方的に4年で打ち切ったのは不当だとして、福島県相馬郡飯舘村の伊藤延由さん(74)=新潟県出身、福島市内に避難中=が起こした訴訟(2017年08月26日号参照)の第2回口頭弁論が22日午前、東京地裁631号法廷(東亜由美裁判長)で開かれた。原告・伊藤さんが意見陳述。「加害企業の不条理なルールを甘んじて受け入れる事は出来ない」と訴えた。東電は準備書面を提出。「本件事故...

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【自主避難者から住まいを奪うな】「機構は訴訟を取り下げよ」。〝米沢追い出し訴訟〟で厚労省・復興庁に1万筆超の署名提出。菅元首相は厚労省の責任追及

福島県から山形県米沢市への〝自主避難者〟が被告となった異例の〝追い出し訴訟〟(2017年11月22日号参照)を受けて、訴訟の取り下げと話し合いによる解決を求める署名が21日午後、厚労省と復興庁に提出された。被告の1人である武田徹さんは「巨象がアリを踏みつぶす行為だ」と強く抗議。同席した菅直人元首相も厚労省の監督責任を厳しく追及する構え。地元・福島選出の吉野正芳復興大臣も避難者に「自立して然るべき」と語ったと...

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【81カ月目の浪江町はいま】押し付けられた「自由」と奪われた「自由」。国道114号自由通行で不自由さ増した津島地区。住民の悔しさ「矛盾だらけだ」

わが家に一時帰宅するのに、なぜバリケードのカギを開けてもらわなければいけないのか。携帯電話がつながらないような状況で、なぜ「生活環境が整った」と言えるのか─。今月11日、住民の協力で福島県双葉郡浪江町の帰還困難区域・津島地区に入った。浪江町唯一の幹線道路・国道114号が今年9月、〝復興〟を旗印にバリケード無しの自由通行になったが、地区の住民は逆に枝道に侵入防止のバリケードを設置して開錠が必要になった。携...

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【ふるさとを返せ 津島原発訴訟】伏せられた高濃度汚染。「なぜ知らせてくれなかった!」。〝無用な被曝の最前線〟津島診療所・関根医師が怒る情報隠蔽。

医師で、福島県浪江町・津島地区に開設されていた「津島診療所」(現在は二本松市)所長の関根俊二さんが10日午後、福島県二本松市内で講演し、「無用な被曝は避けられた」と国や東電の原発事故後の対応を厳しく批判した。津島地区は後に帰還困難区域に指定され今も避難指示解除の見通しは立っていないが、当時は住民に汚染や被曝リスクが全く知らされなかった。関根さんは「低線量被曝はこれまで経験が無い」として子どもや若者た...

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【81カ月目の福島市はいま】〝原発事故〟語られなかった市長選挙。きょう着任の新市長「もはや被曝リスクない」。前市長も「自主避難者は戻って来て」

「福島市には、もはや被曝リスクは無い」、「もう空間線量も心配ない」─。新旧の福島市長は期せずして似たような言葉を口にした。7日に任期満了を迎えて退任した小林香前市長(58)は除染の成果と汚染の低減を口にして市役所を去り、11月の市長選挙で現職の小林氏を破った新市長の木幡浩氏(57)は8日に着任。〝復興〟にまい進する。11月の市長選挙では、原発事故による汚染や被曝リスクは全くと言って良いほど語られなかった。市...

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【原発事故と甲状腺ガン】根強い検査縮小論に「NO」。当事者の望みは「継続・拡充」~基金がアンケート結果公表。国は福島以外での検査に消極姿勢崩さず

甲状腺ガン当事者や家族の望みは、甲状腺検査の「継続・拡充」だった。「特定非営利活動法人 3・11甲状腺がん子ども基金」(崎山比早子代表理事)が6日、福島県庁の記者クラブで発表したアンケート結果からは、福島県の県民健康調査を巡って根強い縮小論に「NO」を突きつける当事者の想いが浮かび上がった。これまで「過剰診断」の波にかき消されてきた当事者たちの声には、「原発事故による健康被害など無い」と結論ありきにす...

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プロフィール

鈴木博喜

Author:鈴木博喜
(メールは hirokix39@gmail.com まで)
https://www.facebook.com/taminokoe/


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 (銀行コード0039 支店番号106)

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