【民の声新聞が見た2020年の福島】弱者に冷たい内堀県政、五輪準備の陰で原発避難者切り捨て 「汚染水海洋放出」に「伝承館」で〝復興〟? そして「丸10年」へ
- 2020/12/31
- 10:00

2020年も今日で終わり。震災・原発事故から9年が経った福島にも新型コロナウイルスの波が押し寄せた。批判の声が多い〝復興五輪〟は1年延期。一方で原発避難者の切り捨てはさらに進み、ハコもの復興ばかりが進んだ。原発事故後にたまり続ける汚染水問題は解決しないまま越年。原発事故を後世に伝えるための「伝承館」も〝復興〟に軸足を置いた中途半端な滑り出しとなった。今年書いた100本の記事から、2020年の福島を振り返りたい...
【2020年の福島はいま】新型コロナ感染拡大に隠れる内堀県政の原発事故対応 年内最後の会見でも主体性欠く 「国には言うべき事言ってる」と仰天発言も
- 2020/12/29
- 05:12

28日午前に福島県庁で開かれた内堀雅雄知事の定例会見は、毎年〝恒例〟だった「今年の漢字」は無し。新型コロナウイルスの感染拡大の危機感を身振り手振りで強調しながら県民に慎重な行動を求めた。一方で、事故から丸10年を控える原発事故対応については、相変わらずの「国が国が…」に終始。除染無き避難指示解除も汚染水の海洋放出も自分の言葉で語らないまま、2020年を終えようとしている。「国には言うべき事を言っている」を...
【原発避難者から住まいを奪うな】まるでサラ金の取り立て! 福島県が親などに「国家公務員宿舎からの追い出しにご協力を」と迫る 手紙や訪問で「法的手段も」と脅す
- 2020/12/26
- 08:10

原発事故後に福島県の避難指示区域外から避難し国家公務員宿舎に入居している県民について、県が今月に入り、避難者の親や兄弟など親族に手紙や訪問で〝避難者追い出し〟に協力するよう求めている事が分かった。福島県は2019年4月以降も国家公務員宿舎に入居を続ける避難者に対し、「損害金」と称して家賃2倍請求を続けているが、親族も巻き込んだ〝追い出し〟に取り掛かった格好。県は訴訟での追い出しもチラつかせており、避難当...
【117カ月目の浪江町はいま】卒業生有志の熱意に応えた? 町教委が4校で〝最後の〟校舎見学会開催へ 「もろ手を挙げて喜べない」複雑な想いも
- 2020/12/23
- 18:18

浪江町立五校(大堀小、苅野小、幾世橋小、浪江小、浪江中)の校舎解体延期などを卒業生たちが町に求めている問題で、町教委が浪江小を除く4校で1月と2月に再び校舎見学会を開く事になった。「浪江町の各小中学校の解体を延期し、町民・卒業生にお別れの機会となる閉校式の開催を求める請願書」を町議会が不採択。吉田数博町長も解体延期に否定的な答弁をしていただけに、町側が一定の譲歩をした格好。卒業生たちの熱意が行政を動...
【浪江原発訴訟】奪われたふるさと、壊された地域コミュニティ 男性原告が意見陳述「国は自らの責任を認め、東電とともに賠償責任を果たせ」~福島地裁で第6回口頭弁論
- 2020/12/22
- 07:17

福島県双葉郡浪江町の町民が申し立てた集団ADRでの和解案(慰謝料一律増額)を東京電力が6回にわたって拒否し続けた問題で、浪江町民が国や東電を相手取って起こした「浪江原発訴訟」の第6回口頭弁論が12月16日午後、福島地裁203号法廷(遠藤東路裁判長)で行われた。男性原告が原発避難での苦労や奪われたものの大きさについて意見陳述。代理人弁護士は、原告たちが抱く放射線被曝への不安が合理的であると主張した。次回弁論期日...
【117カ月目の浪江町はいま】「校舎解体延期より避難所設置が急務」 主体性欠いたまま町議会が請願不採択 卒業生たちのささやかな願いも一蹴
- 2020/12/18
- 07:22

校舎解体延期という卒業生たちのささやかな願いは一蹴された。浪江町議会は17日の本会議で「浪江町の各小中学校の解体を延期し、町民・卒業生にお別れの機会となる閉校式の開催を求める請願書」を反対多数で不採択と決めた。しかし、議会判断に主体性は乏しく、吉田数博町長の答弁を踏襲。「避難所設置計画に影響する」の一点張りで請願を退けた。本会議を傍聴した卒業生たちは「なぜ環境省と話し合うなど努力してくれないのか」と...
【女川原発再稼働同意】「宮城県民の民意は巧妙に排除された」 県民投票運動けん引した多々良哲さんの怒り 署名に込められた女川町民の想いもないがしろに
- 2020/12/16
- 06:42

宮城県の村井嘉浩知事が11月11日に東北電力女川原発2号機再稼働への同意を表明して1カ月余。会見で「再稼働は必要だ」と明言した村井知事を「巧妙に民意を排除して独断で決めた」と怒りを込めて見つめていた人がいる。2年前、11万を超える署名を集めた「女川原発再稼働の是非をみんなで決める県民投票を実現する会(みんなで決める会)」の代表として奔走した多々良哲さん(62)=宮城県仙台市=。女川有権者の実に2割が賛同した「...
【117カ月目の浪江町はいま】「環境省に校舎解体延期求めない」吉田町長が議会で答弁 「跡地利用計画に影響」とも 傍聴した卒業生「町は冷たい」
- 2020/12/09
- 07:01

町の答えは「NO」だった。原発事故で母校の休校を強いられた福島県双葉郡浪江町立学校の卒業生たちが校舎解体の延期とお別れ会の開催を町に求めている問題で、浪江町の吉田数博町長は8日午後、町議会本会議で「解体延期は難しい」との姿勢を改めて示した。卒業生たちは、町議会に「浪江町の各小中学校の解体を延期し、町民・卒業生にお別れの機会となる閉校式の開催を求める請願書」を提出しているが、「避難所としての跡地利用計...
【ふるさとを返せ 津島原発訴訟】「予見可能性も結果回避可能性も無い」国が最終弁論 1月に結審 来夏にも判決言い渡しか
- 2020/12/08
- 14:42

原発事故で帰還困難区域に指定された福島県双葉郡浪江町津島地区の住民たちが国や東電に原状回復と完全賠償を求めている「ふるさとを返せ 津島原発訴訟」の第32回口頭弁論が3日午前、福島地裁郡山支部303号法廷(佐々木健二裁判長)で行われた。国の指定代理人が最終弁論をし、改めて大津波の予見可能性や過酷事故の結果回避可能性について否定した。次回期日は2021年1月7日10時。原告側が最終弁論をして結審する。2015年9月の1次...