【128カ月目の浪江町はいま】平行線の帰還困難区域説明会 「全域を除染しろ」住民の怒り 「拠点外は帰る人だけ除染」除染範囲を限定したい官僚
- 2021/11/27
- 07:16

とにかく除染範囲を狭めて「避難指示解除」という形をつくりたい政府。範囲を限定せず全域を除染して欲しい住民。両者を隔てる壁は高く、溝は深い─。10月に引き続き今月も、浪江町の「帰還困難区域に関する説明会」が16、17、23の3日間、二本松、郡山、東京で行われた。しかし、どの会場でも「特定復興再生拠点区域」以外は帰還意向のある住民の自宅周囲だけを除染したい国と、帰還意向にかかわらず全域除染をして欲しい住民の想い...
【福島原発かながわ訴訟】「原発事故被害の語りにくさが被害を見えにくくさせている」避難当事者や弁護士、研究者が横浜でシンポジウム
- 2021/11/24
- 16:11

シンポジウム「終わらぬ原発事故~見えにくくされる被害と集団訴訟の意義~」が20日午後、JR新横浜駅近くの「スペース・オルタ」で行われた。リモート参加した宇都宮大学国際学部准教授の清水奈名子さんが講演。神奈川県内に避難した人々が国と東電を相手取って起こした「福島原発かながわ訴訟」の村田弘原告団長や弁護団事務局長の黒澤知弘弁護士を交えて、原発事故被害の実相が見えにくくなっている現状や、被害者が被害を語りに...
【原発避難者から住まいを奪うな】避難者側が福島県職員などの証人尋問を申請 裁判官は「何を尋問するのかイメージできない」~〝東雲追い出し訴訟〟第8回口頭弁論
- 2021/11/18
- 07:33

福島県が昨年3月、原発事故で〝自主避難〟した4世帯を相手取り、国家公務員宿舎「東雲住宅」(東京都江東区)の明け渡しと未納家賃の支払いを求めて提訴した問題で、うち1世帯に対する第8回口頭弁論が10日午前、福島地裁206号法廷(松川まゆみ裁判官)で行われた。被告(避難者)側代理人弁護士が第6、7、8準備書面を陳述。復興庁や関東財務局、福島県生活拠点課の担当者、被告本人に対する尋問を申請した。松川裁判官は「被告の主...
【128カ月目の汚染水はいま】「これ以上、海を汚すな!」小名浜で海洋放出反対の市民集会 学者は「代替案いくらでもある」
- 2021/11/15
- 15:29

原発事故後に大量発生している汚染水の海洋放出に反対する市民集会「汚染水を海に流すな! 海といのちを守る集い」が13日午後、福島県いわき市小名浜の「アクアマリンパーク」で行われた。子育て中の母親や漁業関係者、学者たちがリレートークで「汚染水を海に流すのは許せない」「これ以上汚さないで」などと想いを口にした。福島の市民団体「これ以上海を汚すな!市民会議」(織田千代、佐藤和良共同代表)の主催。海外からもメ...
【原発事故と「ただちに影響ない」】「結局、詫びないまま辞めるのか」 総括なき代表辞任に福島から「枝野氏は総括するべきだった」との声
- 2021/11/13
- 06:39

立憲民主党の枝野幸男代表が12日、代表の座を降りた。総選挙での議席減の責任を取った形だが、10年前の「ただちに影響ない」発言に対する謝罪は無いまま。当時、わが子を守ろうと必死だった福島の人々からは「非を認めて欲しかった」と落胆と怒りの声があがっている。10月22日号では今なお消えないモヤモヤを報じたが、枝野氏は結局、官房長官当時の自身の言動について一度も総括することなかった。福島選出の同党所属代議士は「謝...
【女川原発運転差止請求訴訟】福島事故で分かった原発避難の困難さ 「避難計画に実効性などない」石巻市民が東北電力提訴~仙台地裁で第1回口頭弁論
- 2021/11/09
- 20:01

東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働に関し、宮城県や石巻市が策定した原発事故発生時の広域避難計画には実効性がないとして石巻市民17人が東北電力を相手取って起こした「女川原発運転差止請求訴訟」の第1回口頭弁論が8日午後、仙台地裁101号法廷(齊藤充洋裁判長)で行われた。原告団長の原伸雄さん(79)が意見陳述。一方、東北電力は137ページにおよぶ答弁書で「本件2号機において放射性物質を異常に放出す...
【原発事故と国連特別報告者】グローバー氏の2012年訪日調査 福島県庁や福島県立医大の杜撰な対応「やり取り記録文書つくらなかった」
- 2021/11/06
- 18:42

福島第一原発事故の発生から1年8カ月後の2012年11月に行われた国連特別報告者アナンド・グローバー氏の訪日調査について、福島県や福島県立医科大学が当日のグローバー氏とのやり取りを一切、記録として残していないことが分かった。原発事故対応を記録した行政文書については、保存期間を過ぎたとの理由で多くが廃棄処分されているが、今回はそもそも記録文書が作成すらされていなかった。山下俊一氏との意見交換についても「メモ...
【総選挙2021】ネガキャン連呼も奏功せず…復興大臣ポストどころか党公認も失った福島1区の自民・亀岡 笑顔なき〝2連続比例復活〟
- 2021/11/01
- 08:55

第49回衆院選挙(総選挙)は10月31日、投開票された。当初から激戦区と言われた福島1区(福島市、伊達市、南相馬市など)は、野党統一候補の金子恵美氏(立憲民主党)が小選挙区で当選。自公候補の亀岡偉民(よしたみ)氏は前回総選挙に続いて2回続けて小選挙区で敗れ、比例で復活当選した。「2回続けて比例復活では大臣ポストどころか党の公認も危うい」と崖っぷちに立たされた亀岡陣営は金子陣営へのネガティヴキャンペーンを展...