【141カ月目の原発避難者はいま】住宅追い出し、集計除外、把握されぬ避難先での自死…年の瀬にこそ、当たり前の人権が保障されない現実を直視しよう
- 2022/12/31
- 17:21

原発事故後、「寄り添う」という言葉を何度、耳にしただろう。復興大臣は就任するたびに「現場主義」を口にする。しかし、実際に展開されているのは原発事故被害者の人権軽視・人権侵害だ。筆者は2017年の大みそかに「避難先で自ら命を絶った〝自主避難者〟のAさん」への追悼文にも似た記事を書いた。あれから5年。今年はようやく国連特別報告者の訪日調査が実現したが、その報告を待つまでもなく、いまだに原発事故被害者の人権な...
【汚染土壌の再利用】所沢や新宿での実証事業計画巡り市民らが環境省と意見交換 「福島県外での最終処分・再生利用の第一歩」繰り返す官僚に怒り噴出
- 2022/12/29
- 20:01

福島第一原発事故後の除染で生じた8000Bq/kg以下の汚染土壌を福島県の中間貯蔵施設から埼玉県所沢市(環境調査研修所)と東京都新宿区(新宿御苑)に運び込み、覆土して安全性をアピールする実証事業計画を巡り、市民と環境省官僚との意見交換が27日午後、東京・永田町の参議院議員会館で行われた。環境再生事業担当参事官室から2人の官僚が参加。90分超に及んだが、「福島県外最終処分に向けた第一歩」、「安全性は確認できている...
【福島県知事の2022年】人権侵害や民主主義軽視への批判もどこ吹く風の「今年の漢字は『開』」 内堀知事が年内最後の定例会見で「成果が形となって現われた1年」
- 2022/12/26
- 16:31

福島県の内堀雅雄知事が26日午前に行われた年内最後の定例会見で、県政記者クラブの求めに応じて「今年の漢字は『開』」と用意した紙を掲げた。2016年以降「創」、「共」、「進」、「再」、「機」ときて今年は「開」。内堀知事は「唯一全町避難が続いていた双葉町の一部で避難指示が解除され…『希望の扉』が町民のみなさんの手によって勢いよく開かれた」などと語ったが、一方で発生から丸12年になろうとしている原発事故はいまだ...
【飯舘村原発被害者訴訟】「原発事故でそれまでの生活をすべて失った」60代男性が意見陳述 「今も放射能汚染は続いている」~東京地裁で第6回口頭弁論
- 2022/12/24
- 17:02

福島県相馬郡飯舘村の村民29人が、国と東電に原発事故での「ふるさと喪失」と「初期被曝」の慰謝料として1人715万円の支払いを求めた「『謝れ!償え!かえせふるさと飯舘村』損害賠償請求訴訟(飯舘村原発被害者訴訟)」の第6回口頭弁論が7日午前、東京地裁103号法廷(野口宣大裁判長)で行われた。60代の男性原告が意見陳述。「原発事故によって、それまでの生活をすべて失ってしまった。こんな未来など考えたこともなかった」、...
【原発事故被害者の救済を求める全国運動】避難者支援、住宅追い出し問題、保養問題、汚染水海洋放出、汚染土再利用…都内で3年ぶりのハイブリッド集会
- 2022/12/21
- 20:19

2013年8月から活動している「原発事故被害者の救済を求める全国運動」が20日午後、東京・永田町の衆議院第二議員会館で3年ぶりの検証集会を開いた。「現在の避難者支援のあり方、住宅問題、保養の問題、汚染水や汚染土拡散の問題を検証したうえで今後どのような活動をしていったら良いのか。課題を明らかにして共有」(佐藤和良共同代表)するのが狙いで、骨抜きにされた「子ども・被災者支援法」を軸に、原発事故被害者が直面する...
【汚染土壌の再利用】「汚染土を所沢に持ち込むな」「第2のダイオキシン問題に発展しかねない」市民抗議のなか〝密室〟〝3時間超〟の住民説明会 福島からも反対の声
- 2022/12/17
- 20:26

福島第一原発事故後の除染で生じた8000Bq/kg以下の汚染土壌を中間貯蔵施設から埼玉県所沢市に運び込み、環境省所有地内の芝生整備に再利用して安全性をアピールする実証事業計画が浮上している問題で、住民説明会が16日夜、「環境省環境調査研修所」(埼玉県所沢市並木3丁目)で開かれた。説明会は22時近くまで3時間半にわたって行われたが、取材が許されたのは冒頭の5分弱のみ。記者たちに住民の生の声を聴かせまいと別室に隔離す...
【浪江原発訴訟】「国や東電の無責任さ許せぬ」4人の原告に本人尋問 「元に戻してもらいたい」「転校先なじめずつらかった」~福島地裁で第14回口頭弁論
- 2022/12/10
- 19:25

集団ADRでの和解案(慰謝料一律増額)を東京電力が6回にわたって拒否し続けた問題で、浪江町民が国や東電を相手取って起こした「浪江原発訴訟」の第14回口頭弁論が10月21日、福島地裁203号法廷(小川理佳裁判長)で終日行われた。今回も、男女4人の原告に対する本人尋問。少し長くなるが、そのうち3人の発言を紹介したい。東電の反対尋問は、今回も既に支払った賠償金額を強調するやりとりに終始した。次回期日は13日午前10時半。2...
【汚染土壌の再利用】除染土再利用が復興支援なのか? 埼玉・所沢で福島県外初の実証実験計画 周知不足のまま16日夜に限定的な住民説明会 市役所には苦情相次ぐ
- 2022/12/08
- 13:57

〝航空発祥の地〟が揺れている。福島第一原発事故後の除染で生じた8000Bq/kg以下の汚染土壌を中間貯蔵施設から埼玉県所沢市に運び込み、環境省所有地内の芝生整備に再利用して安全性をアピールする実証事業を行う計画が浮上したためだ。16日夜には環境省が住民説明会が開くが、周知不足で人数も対象エリアも限定。説明会後まで事業の概要も「非公開」という有り様。一方の所沢市も実証事業の是非は問わない姿勢で、「福島県外での...