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【伊達市長選2018】28日投開票。地元メディアがスルーする仁志田市長の〝公約違反〟 「Cエリアにはもはや被曝リスクない」。Cエリア除染に触れずに4選?

任期満了に伴う伊達市長選挙は28日、投開票される。現職の仁志田昇司市長は4選を目指して立候補したが、前回選挙の〝公約違反〟には触れないまま。地元メディアも取り上げない。「Cエリアも除染して復興を加速」と訴えて当選したものの、勝てば官軍。市民の期待に反して、地表真上で3μSv/hを上回る箇所だけを除染する「ホットスポット除染」しか行われなかった。「心の除染こそ必要」と公言する仁志田市政。5人が立候補する〝乱戦〟となったが、市民の選択は継続か刷新か。過去の議会答弁なども振り返りながら、仁志田市長の〝公約違反〟について考えたい。


【「除染だけが放射能対策ではない」】
 「それは、まあ、んー。やるべき事はやってきましたけどね」
 伊達市長選挙が告示された1月21日。保原町の神社で必勝祈願を終えた仁志田昇司市長は、少しうろたえたように後ずさりした。
 「それ」とは「Cエリア除染問題」だ。伊達市は原発事故後、市内を空間線量で3つのエリアに分け、除染を行ってきた。「伊達市除染実施計画」によると、Cエリアは年間積算放射線量が1mSv以上5mSv以下で、梁川や保原など約1万5600世帯。「コミュニティ単位でのホットスポットを中心とした除染を行う」と書かれている。その言葉通り、実際に行われたのは住宅敷地内のうち、地表真上で3μSv/hを上回った箇所だけの除染だった。0・9μSv/hでも2・9μSv/hでも除染はされなかった。
 子育て世代を中心にCエリアの住民から不満の声が上がる中、前回2014年1月の市長選挙で、仁志田市長は「Cエリアも除染して復興を加速」と明記した「後援会NEWS」を配った。確かに「全面除染」とは書かれていない。しかし、3μSv/h以下でも除染してくれるのではないかと希望を見出した親たちは、仁志田市長に一票を投じた。結果、2934票差で3選を果たしたが、期待はあっさりと裏切られた。あれから4年。取材に応じた仁志田市長は公約違反か否かには答えず、次のように語った。
 「Cエリアは、科学的に考えて被曝リスクは無いと思う。ただ、不安に思っている人はいるし、今後も対策は必要だ。除染だけが放射能対策だとは考えていない」
 「Cエリア除染」で市民を釣っておいて、当選したら知らんぷり。午前9時すぎから保原中央公民館前で行われた〝第一声〟では、Cエリア除染について一切触れなかった。それもそのはず。「だて復興・再生ニュース」2015年11月12日号では「Cエリアの年間追加被ばく線量は1ミリシーベルトを下回っていることは明らか」、「多分除染をしても孫は来てくれない」、「除染費用は、我々納税者の負担」、「まだ除染が必要なのか、と逆に風評被害のもとになりかねない」などを挙げた上で、こう言い切っている。
 「Cエリアの全面除染は行うべきではありません」
 しかし、4年前の〝公約〟は何だったのか。いまだに説明は無い。




(上)前回2014年の市長選で配布された「後援会NEWS」。「Cエリアも除染して復興を加速」と明記されている
(下)保原中央公民館前で〝第一声〟を行った現職・仁志田候補。演説では「Cエリア除染問題」には触れず。筆者が質すと「科学的に考えてCエリアには被曝リスクは無い」と答えた=1月21日午前9時すぎ

【「放射線防護と公約は無関係」】
 「これは明らかに公約違反ではないか」
 2014年6月の伊達市議会定例会。一般質問に立った市議は、こんな言葉で質問をしめくくった。
 2015年9月にも、一般質問に立った市議から「私は公約違反などしていないと言うけれども、まさに選挙のときに約束したのではないですか、市民の皆さんはそう思っているのですよ」、「仁志田市長は公約違反したつもりはないと言っておられますが、市民の皆さんはそうはとっていない」との言葉を受けている。
 2014年の前回市長選以降、伊達市議会ではたびたび、この「公約違反問題」が取り上げられてきた。仁志田市長が前回選挙で配布した「後援会NEWS」で「Cエリアも除染して復興を加速」と明記したにもかかわらず実行して来なかったからだ。実行しないどころか、2015年3月の市議会では、こんな答弁までしている。
 「約束したとかしないとかと、それは約束は大事でしょうけれども、しかし手段としてやる場合に、効果があるかどうかということは、しかるべき権威の人の意見を聞いて、その上で今の対策をとっているわけでありまして、そういう意味で、公約違反だと言われる筋合いはない」
 選挙期間中に配られた文書に明記されていても「公約違反ではない」と言うならば、選ぶ側の有権者はお手上げだ。
 挙げ句には、議会答弁で「隣町のほうでは、そういっては何ですけれども、そんなに心配ないのではないかと思われるところでもかなり大がかりな除染をやっていると。そういうのを見ると不安に思う人もいることは事実ですよね、何で伊達市はやらないのだと」(2014年6月12日)、「公約というのは大事だと思いますけれども、公約だからやるとかやらないとかというのは放射線防護の考えではない」、「私はちゃんと市民にはマニュフェストを書いて選挙戦を戦ったつもりでありまして、そこには市民目線に立ち、安心のためCエリアのフォローアップ除染を実施しますと書いてありますから。別に間違ったことはしていないし、間違った公約はしておりません」、「放射線防護、市民の健康を守るという立場と公約はあまり関係ない」(2014年12月2日)、「一部の市民が望むようにやっていないからけしからんというふうに言われても、それは全員の要望を聞くわけにはいかないと、やらなくてもいいという市民もいることは事実」、「そういうお金があるのならほかへ使えと、こういうふうに言う市民もおります」(2015年6月17日)、「全ての人がその全面除染を望んでいるわけではない」、「全面除染ということについては、何度も言うように必ずしも望んでいる人ばかりではない」(2016年6月14日)などと繰り返してきた。




仁志田候補の選挙事務所には、福島選出の国会議員ばかりでなく、滋賀県知事らの〝為書き〟も貼られていた=伊達市保原町

【「今からでも遅くないから除染を」】
 Cエリアに住む50代父親は「原発事故が起きた事も放射性物質が伊達市にも降り注いだ事も事実なんだけど、あまり考えたくないという想いもある」と前置きした上で、「『Cエリアにはもはや被曝リスクは無い』と言い切るのは危険だと思う。俺たちはまだ、被曝リスクへの不安はある。被曝リスクはあると思う。今からでも遅くないから、Cエリアも住宅除染をして欲しい」と語る。これまでに自宅敷地内で実施された公的除染は、地表真上で3μSv/hを上回った2カ所だけ。自宅2階の子ども部屋は、依然として0・3μSv/hあるという。
 別の40代母親も「もちろん、除染はして欲しいです」と話す。「原発事故前の伊達市に戻るまで、何度でも除染をするべきです。公的な避難制度が無いのに除染もしてもらえないのでは納得出来ません」。
 市民も想いをよそに、仁志田市長は「心の除染」が必要だと言い続けてきた。2017年12月6日の市議会では、市議からの質問に答える形で、こう〝解説〟している。
 「心の除染というのは、要するに、そうした風評被害等もそうなのですけれども、放射能を、精神的に、気持ちの上で、科学的にわかっているという人であっても不安だというような気持ち、それがいわば、心の除染が必要な状況にあるというふうに言うべきなのではないかと思うのです。
 ですから、この問題というのは、現実に除染をするということはなかなか大変なことではあるのですけれども、仮にそれが実現したからといって、本当に安心というのは得られるのだろうかと、放射能に対する我々の取り組みが信頼につながっていないというところなのだろうというふうには思っておりまして、どうしたらいいのかなと、それが、だから、丁寧に、そうした不安を抱えている人の気持ちを聞いて、納得できるようなやり方、そういうものを考えるしかないのかなということで、ですから、ホットスポット除染を丁寧にやるとか、そういうことだと思うのです。
 現実に、今でも自主避難をされている方もいる。これはやはりそうした不安をまだ払拭し切れないからだというふうに考えているところでありまして、これからもそういう取り組みというのは引き続きやっていく必要があるというのが、今の伊達市が置かれた状況であるということは認識しております」
 市民はどう判断するのか。投開票日は28日。立候補者のプロフィールはこちら



(了)
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鈴木博喜

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