【サン・チャイルド】なぜ福島市民は設置継続を拒んだか。「危険な町だと誤解招く」「今も続く苦しみ表すには軽い」~公開されぬアンケート結果を全入手
- 2018/09/21
- 20:28
唐突に設置され、唐突に撤去された巨大モニュメント「サン・チャイルド」が浮き彫りにしたのは「市民の分断」ではなく、決して一言では語り尽くせない、原発事故から90カ月を経た現状に対する十人十色の多様な捉え方。そして市民感情を無視した木幡浩市長の〝独り相撲〟への怒り、税金の使途に対する疑問だった─。本紙は、福島市の情報公開制度を使ってアンケート用紙に書き込まれた直筆の意見を全て入手した。設置してしまった後に実施されたアンケート(無記名)。回答は110通に達したものの、福島市民に具体的中身が公開される事は無い。長くなるが、なるべく多くの意見を紹介したい。市民はなぜ、巨大モニュメントを拒んだのか。
【20代「議会で納得いく説明を」】
「早急に撤去するべきだと思う。風評被害をさらに招くうえ、駅前には不釣り合い。誰も防護服など着て生活していなかったのに、これでは間違ったイメージを与える。福島のイメージがさらに悪くなると思う」(20代女性)
「市長は『市民の声を取り入れた市政を行う』とおっしゃっていましたが、今回の設置にあたっては誰の声を聴いて設置したのでしょうか。『000』は放射線ゼロを意味しているようですが、放射線ゼロは科学的にあり得ず、震災復興に取り組んできた人や福島市民の気持ちをないがしろにしていると思います。設置費用はどれくらいかかったのでしょうか。市民の税金であるのでしょうか。9月の(市議会)定例会で市民、その他福島に関わる全ての人に納得のいく説明をしていただきたいです」(20代男性)
「これまで普通に福島市内に居住してきた者の心情を害すると思われる。風評を増長し、さらなる誤解につながると思われる」(20代男性)
「市長や市議会は、(設置に関与した)一般財団法人への責任追及を強めるべき。百歩譲ってヤノベケンジ氏の作品を推すにしても、別の作品でも良かったのではないか」(20代男性)
「核実験時代のプルトニウムも自然界にある放射能もあるのに、その事実を知らない人が見た場合『ゼロ以外は危険』と思われてしまいます」(20代女性)
「設置に反対します。震災の記憶を思い出す事がつらい方がたくさんいます。アンケートを書きたくても来られない方もたくさんいます。ここ数日の市長の発言にはがっかりしています。市民は見ています。福島市の『こむこむ』にサン・チャイルドはふさわしくありません」(30代女性)
「なぜ市民の意見も聴かずにあんなものを設置したのか理解に苦しみます。防護服など震災後も必要としていなかったにもかかわらず、なぜそれを設置しなければいけないのですか?まして子どもの施設に?少しでも早くあの像をなくしてくれることを望みます。子どもが夢をはぐくむ施設なら、政治的なもの個人的な意見や主義主張が色濃く出るものを置くべきでは無いと思います」(30代女性)
「撤去する必要性は全く感じない。継続して設置して良いと思う。風評被害を呼ぶとか非科学的だとかいう意見もあるが、それは考えすぎだと思う」(30代男性)
「ツイッターを見ていますと、感情にまかせていたり、根拠に基づいているとは思えない批判、揚げ足取りや誹謗中傷の投稿も多数見受けられます。ツイッターで声高に叫ばれる偏った意見は、決して市民の総意とイコールではありません。偏った意見に惑わされることなく、冷静な環境でオープンな議論が尽くされることを望みます」(30代男性)
「こういうものは、原発のあった双葉町の駅前にあるなら分かりますが、県庁のある市の、子どものためにある所への展示は良くないと思います」(30代男性)
「撤去する必要はないと思います!未来への希望も含めて、0・00でも良いのではないでしょうか」(30代女性)
「不愉快な想いは私はしません。単に作品と見れば面白いものだと思います」(30代女性)
「個人的には好き。福島に設置するのも良い。場所は微妙。県立美術館前の芝生などなら、もう少し自然に受け入れられたのでは」(30代女性)
「純粋にアートとして評価されたいならば、美術館など選択的に見たり見なかったりできる空間にあるべきです。サン・チャイルドでPTSDの症状を友人が呈した。撤去されるべきです」(30代女性)
アンケートは8月3日の除幕式から2週間後の8月17日夕、突然始まった。モニュメントが設置された「こむこむ館」にA5サイズ(A4サイズの半分)の用紙が置かれ、来館者のみが回答出来た。名前を記入する欄は無く、「市内・市外」、「男・女」、「年齢」、「職業」を記入する欄があった。アンケート調査は8月27日に突然打ち切られた。10日間で寄せられた意見は110通だった。



アンケートに寄せられた意見の一部。さまざまな年代の市民がさまざまな意見を書いたが、ほとんどが設置継続に「NO」だった。しかし、これらの意見が市民に公開される予定は無いという
【40代「今も被曝リスクと戦っている」】
「この7年半の間、放射線による被曝リスクに不安を持ちながら子育てしています。事故後は他県に母子避難をしていました。家庭の事情もあり福島に戻って来た今でも、不安と戦いながら生活をしています。市長には、この不安の大きさがどれだけつらいものか想像できないのでしょう。風化させないためとおっしゃっていますが、あの事故・震災を経験した私たち当事者が忘れることはありません。むしろ忘れているのは国、行政、東電ではないでしょうか。『この像が風評加害となる』との意見が多く聴かれますが、私はその意見とは異なります。今も続くこの心の苦しみを語るのに、この像はあまりにも軽すぎます」(40代女性)
「福島=放射能=防護服という表し方はどうかと思う」(40代女性)
「忘れたくても忘れられない現在の状況をつきつけられるようで、つらい。元気をもらっている人がいるのかと思うと、またつらい」(40代女性)
「福島を『フクシマ』として、自らの主義主張のためには福島県民、福島市民を風評被害の犠牲者でいて欲しい勢力の存在が見えてきます。そういう政治利用のために与するのは面白くありません」(40代男性)
「ヤノベさんの意図する想いを知らずに、見た目だけで反対している人が多いと思います。福島市に来て3年ですが、復興の象徴のモニュメントとしてふさわしいと思います」(40代女性)
「宇宙服か原発事故の服か分からないが、後者にしか見えない。福島県外の作者が馬鹿にしているように見える」(40代女性)
「『ふくしま未来研究会』の連中を許さない。民事訴追して罰してください」(40代男性)
「震災当初より防護服を着ている子どもなど居らず、除染により線量が下がった現在では当然、不要な表現だと思います。このような不要なあつれきを生むことは行政にとり負の行為ですから、本来は思慮深く避けるべきです」(50代男性)
「この辺りは、震災直後からこんな防護服を着ていた人なんか一人もいないです。気味の悪い違和感しかありません。それも股間に変なものを突き立てて、あれを受け入れる人がいるでしょうか」(50代女性)
「サン・チャイルドが福島に来てくれたことに感銘を覚えます。ヤノベさんの福島を想う気持ち、設置までごきつけた市長の決断に対しても、福島への心からの想いを感じます」(50代女性)
「撤去してください。私たちは福島市の子どもたちを傷つけてしまった、と傷だらけのサン・チャイルドが言っているようです」(50代女性)
「放射線ゼロではないですよね?防護服は必要ですか?一度、市民の意見を聴いて下さい」(50代女性)
「福島市は防護服を必要とするような事態はなかったので誤解を招く。胸の線量計が000というのは科学的に誤りである。ここにふさわしくない」(50代男性)
「このままでいいと思います。設置したものを撤去したら、それこそ風評被害の原因になります。『福島は危険』ということを認めたようなものです」(50代男性)
「未だ農家を悩ませている風評について、これほど福島市は鈍感であったかと残念な気持ちでいっぱいである」(50代女性)
「原発事故を無かったことにしたい人、原発事故なんて大したことないと思わせたい人、原発大好きな人。私はそれに対し『風化させず希望を持って前に進もう』という市長の言葉に賛成です」(50代女性)
「あの像は福島市民を苦しめ続けてきた放射能デマの権化だと感じます。汚染されたわけでもない土地を(人を)ことさら汚染されたものとして強調する手法に怒りを感じます」(50代男性)
「設置する場所が違うと思います(東電本社!)。まだまだ風評被害がある中で、この展示はびっくりです。ますます風評被害を増長させると思います」(50代女性)
「希望というより警告を感じさせる大きさと色でした。震災直後ならまだしも、7年が経ち、やっと落ち着きを取り戻した福島市にふさわしくないと思います」(50代女性)
市議会に何ら報告・相談もなく巨大モニュメントを設置した木幡市長は、やはり市議会に何ら相談なく撤去を決定。責任を取るとして給料減額10%3カ月間とする議案を市議会に提出した。しかし、実際に減じられる額は3カ月間で31万4400円。福島市内の業者が市に提出した見積書によると基礎工事だけで47万8440円と見積もられていたので、その費用すら補てん出来ない。設置・撤去費用は300万円を上回るとみられており、〝穴埋め〟にはほど遠い。まるで「臭いものにフタ」をするような木幡市長の〝独り相撲〟だった。






地元記者クラブの記者やカメラマンが見守る中、20日までに撤去された「サン・チャイルド」。撤去作業は日没後も続き、専門業者の手で梱包された。保管場所について、福島市の担当者は「市の施設だが、作品が傷つけられるといけないので非公開にしている」と話した
【60代「ようやく平穏を取り戻せたのに…」】
「これ以上、市民対市長という対立を深めないためにも、やはりサン・チャイルドはお返しするのがいいと思います」(60代女性)
「ようやく平穏な日常を取り戻せた矢先に、誤解や新たな混乱を招くようなものを設置すべきではないと思います」(60代男性)
「こういう服装の子どもが福島市はもとより、福島県内にいたことはありません。1人も!」(60代女性)
「痛々しい感じがして良い気持ちではないです」(60代女性)
「アンケート用紙を各所に置いたら良い。このアンケート用紙をボードか何かに貼って公開したら良いと思う」(60代女性)
「防護服がなくては住めない町なのかと誤解されそうです」(60代女性)
「忘れかけた記憶を戻すことはないので、ここに設置することは反対です」(60代女性)
「非常に不快。県知事が海外に行って県産品のPRをしていることを否定しているようだ」(60代女性)
「福島市の日常に防護服の傷を負ったかわいそうな作品なんて怖いです」(60代女性)
「ごく普通に福島市で暮らしてきた者からすれば〝悪意〟の押し付けにも思えます。復興とか創生とか、外部の者に安易に言って欲しくないです」(60代男性)
「子どもの事より、大人の都合や思惑が優先されているのではないですか?」(70代)
「男児のおちんちんに機器とは。『あゝやっぱり福島の人と結婚すると奇形児が生まれる怖い、恐ろしい』と県外の人に思われてしまう」(70代女性)
「『過去を反省し未来を学べ』と呼び続けている姿。絶対にあった方が良い」(70代男性)
「福島の未来をみつめ守ってくれているようで勇気をもらえる。設置賛成!」(70代女性)
疾風のように現れて、疾風のように去って行った巨大モニュメント「サン・チャイルド」。様々な角度から市民の猛反発を受け、残ったのはさら地と厳重に梱包された作品。今後、再び福島市民の目に触れるか否かも全く決まっていない。保管場所すら明かされぬまま、お蔵入りとなった。
一般財団法人「ふくしま未来研究会」が今年6月20日付で福島市に提出した「寄付申込書」には、寄付の目的が次のように書かれている。
「再生可能エネルギーが未来の子どもたちへの贈り物となるべく再エネ促進の象徴、ならびに子どもたちへの情操の涵養の促進に資するため」
だが、その目的は果たされることは無かった。原発事故から90カ月目の福島市は、国や東電が思うほど原発事故の傷が浅くないようだ。
(了)
【20代「議会で納得いく説明を」】
「早急に撤去するべきだと思う。風評被害をさらに招くうえ、駅前には不釣り合い。誰も防護服など着て生活していなかったのに、これでは間違ったイメージを与える。福島のイメージがさらに悪くなると思う」(20代女性)
「市長は『市民の声を取り入れた市政を行う』とおっしゃっていましたが、今回の設置にあたっては誰の声を聴いて設置したのでしょうか。『000』は放射線ゼロを意味しているようですが、放射線ゼロは科学的にあり得ず、震災復興に取り組んできた人や福島市民の気持ちをないがしろにしていると思います。設置費用はどれくらいかかったのでしょうか。市民の税金であるのでしょうか。9月の(市議会)定例会で市民、その他福島に関わる全ての人に納得のいく説明をしていただきたいです」(20代男性)
「これまで普通に福島市内に居住してきた者の心情を害すると思われる。風評を増長し、さらなる誤解につながると思われる」(20代男性)
「市長や市議会は、(設置に関与した)一般財団法人への責任追及を強めるべき。百歩譲ってヤノベケンジ氏の作品を推すにしても、別の作品でも良かったのではないか」(20代男性)
「核実験時代のプルトニウムも自然界にある放射能もあるのに、その事実を知らない人が見た場合『ゼロ以外は危険』と思われてしまいます」(20代女性)
「設置に反対します。震災の記憶を思い出す事がつらい方がたくさんいます。アンケートを書きたくても来られない方もたくさんいます。ここ数日の市長の発言にはがっかりしています。市民は見ています。福島市の『こむこむ』にサン・チャイルドはふさわしくありません」(30代女性)
「なぜ市民の意見も聴かずにあんなものを設置したのか理解に苦しみます。防護服など震災後も必要としていなかったにもかかわらず、なぜそれを設置しなければいけないのですか?まして子どもの施設に?少しでも早くあの像をなくしてくれることを望みます。子どもが夢をはぐくむ施設なら、政治的なもの個人的な意見や主義主張が色濃く出るものを置くべきでは無いと思います」(30代女性)
「撤去する必要性は全く感じない。継続して設置して良いと思う。風評被害を呼ぶとか非科学的だとかいう意見もあるが、それは考えすぎだと思う」(30代男性)
「ツイッターを見ていますと、感情にまかせていたり、根拠に基づいているとは思えない批判、揚げ足取りや誹謗中傷の投稿も多数見受けられます。ツイッターで声高に叫ばれる偏った意見は、決して市民の総意とイコールではありません。偏った意見に惑わされることなく、冷静な環境でオープンな議論が尽くされることを望みます」(30代男性)
「こういうものは、原発のあった双葉町の駅前にあるなら分かりますが、県庁のある市の、子どものためにある所への展示は良くないと思います」(30代男性)
「撤去する必要はないと思います!未来への希望も含めて、0・00でも良いのではないでしょうか」(30代女性)
「不愉快な想いは私はしません。単に作品と見れば面白いものだと思います」(30代女性)
「個人的には好き。福島に設置するのも良い。場所は微妙。県立美術館前の芝生などなら、もう少し自然に受け入れられたのでは」(30代女性)
「純粋にアートとして評価されたいならば、美術館など選択的に見たり見なかったりできる空間にあるべきです。サン・チャイルドでPTSDの症状を友人が呈した。撤去されるべきです」(30代女性)
アンケートは8月3日の除幕式から2週間後の8月17日夕、突然始まった。モニュメントが設置された「こむこむ館」にA5サイズ(A4サイズの半分)の用紙が置かれ、来館者のみが回答出来た。名前を記入する欄は無く、「市内・市外」、「男・女」、「年齢」、「職業」を記入する欄があった。アンケート調査は8月27日に突然打ち切られた。10日間で寄せられた意見は110通だった。



アンケートに寄せられた意見の一部。さまざまな年代の市民がさまざまな意見を書いたが、ほとんどが設置継続に「NO」だった。しかし、これらの意見が市民に公開される予定は無いという
【40代「今も被曝リスクと戦っている」】
「この7年半の間、放射線による被曝リスクに不安を持ちながら子育てしています。事故後は他県に母子避難をしていました。家庭の事情もあり福島に戻って来た今でも、不安と戦いながら生活をしています。市長には、この不安の大きさがどれだけつらいものか想像できないのでしょう。風化させないためとおっしゃっていますが、あの事故・震災を経験した私たち当事者が忘れることはありません。むしろ忘れているのは国、行政、東電ではないでしょうか。『この像が風評加害となる』との意見が多く聴かれますが、私はその意見とは異なります。今も続くこの心の苦しみを語るのに、この像はあまりにも軽すぎます」(40代女性)
「福島=放射能=防護服という表し方はどうかと思う」(40代女性)
「忘れたくても忘れられない現在の状況をつきつけられるようで、つらい。元気をもらっている人がいるのかと思うと、またつらい」(40代女性)
「福島を『フクシマ』として、自らの主義主張のためには福島県民、福島市民を風評被害の犠牲者でいて欲しい勢力の存在が見えてきます。そういう政治利用のために与するのは面白くありません」(40代男性)
「ヤノベさんの意図する想いを知らずに、見た目だけで反対している人が多いと思います。福島市に来て3年ですが、復興の象徴のモニュメントとしてふさわしいと思います」(40代女性)
「宇宙服か原発事故の服か分からないが、後者にしか見えない。福島県外の作者が馬鹿にしているように見える」(40代女性)
「『ふくしま未来研究会』の連中を許さない。民事訴追して罰してください」(40代男性)
「震災当初より防護服を着ている子どもなど居らず、除染により線量が下がった現在では当然、不要な表現だと思います。このような不要なあつれきを生むことは行政にとり負の行為ですから、本来は思慮深く避けるべきです」(50代男性)
「この辺りは、震災直後からこんな防護服を着ていた人なんか一人もいないです。気味の悪い違和感しかありません。それも股間に変なものを突き立てて、あれを受け入れる人がいるでしょうか」(50代女性)
「サン・チャイルドが福島に来てくれたことに感銘を覚えます。ヤノベさんの福島を想う気持ち、設置までごきつけた市長の決断に対しても、福島への心からの想いを感じます」(50代女性)
「撤去してください。私たちは福島市の子どもたちを傷つけてしまった、と傷だらけのサン・チャイルドが言っているようです」(50代女性)
「放射線ゼロではないですよね?防護服は必要ですか?一度、市民の意見を聴いて下さい」(50代女性)
「福島市は防護服を必要とするような事態はなかったので誤解を招く。胸の線量計が000というのは科学的に誤りである。ここにふさわしくない」(50代男性)
「このままでいいと思います。設置したものを撤去したら、それこそ風評被害の原因になります。『福島は危険』ということを認めたようなものです」(50代男性)
「未だ農家を悩ませている風評について、これほど福島市は鈍感であったかと残念な気持ちでいっぱいである」(50代女性)
「原発事故を無かったことにしたい人、原発事故なんて大したことないと思わせたい人、原発大好きな人。私はそれに対し『風化させず希望を持って前に進もう』という市長の言葉に賛成です」(50代女性)
「あの像は福島市民を苦しめ続けてきた放射能デマの権化だと感じます。汚染されたわけでもない土地を(人を)ことさら汚染されたものとして強調する手法に怒りを感じます」(50代男性)
「設置する場所が違うと思います(東電本社!)。まだまだ風評被害がある中で、この展示はびっくりです。ますます風評被害を増長させると思います」(50代女性)
「希望というより警告を感じさせる大きさと色でした。震災直後ならまだしも、7年が経ち、やっと落ち着きを取り戻した福島市にふさわしくないと思います」(50代女性)
市議会に何ら報告・相談もなく巨大モニュメントを設置した木幡市長は、やはり市議会に何ら相談なく撤去を決定。責任を取るとして給料減額10%3カ月間とする議案を市議会に提出した。しかし、実際に減じられる額は3カ月間で31万4400円。福島市内の業者が市に提出した見積書によると基礎工事だけで47万8440円と見積もられていたので、その費用すら補てん出来ない。設置・撤去費用は300万円を上回るとみられており、〝穴埋め〟にはほど遠い。まるで「臭いものにフタ」をするような木幡市長の〝独り相撲〟だった。






地元記者クラブの記者やカメラマンが見守る中、20日までに撤去された「サン・チャイルド」。撤去作業は日没後も続き、専門業者の手で梱包された。保管場所について、福島市の担当者は「市の施設だが、作品が傷つけられるといけないので非公開にしている」と話した
【60代「ようやく平穏を取り戻せたのに…」】
「これ以上、市民対市長という対立を深めないためにも、やはりサン・チャイルドはお返しするのがいいと思います」(60代女性)
「ようやく平穏な日常を取り戻せた矢先に、誤解や新たな混乱を招くようなものを設置すべきではないと思います」(60代男性)
「こういう服装の子どもが福島市はもとより、福島県内にいたことはありません。1人も!」(60代女性)
「痛々しい感じがして良い気持ちではないです」(60代女性)
「アンケート用紙を各所に置いたら良い。このアンケート用紙をボードか何かに貼って公開したら良いと思う」(60代女性)
「防護服がなくては住めない町なのかと誤解されそうです」(60代女性)
「忘れかけた記憶を戻すことはないので、ここに設置することは反対です」(60代女性)
「非常に不快。県知事が海外に行って県産品のPRをしていることを否定しているようだ」(60代女性)
「福島市の日常に防護服の傷を負ったかわいそうな作品なんて怖いです」(60代女性)
「ごく普通に福島市で暮らしてきた者からすれば〝悪意〟の押し付けにも思えます。復興とか創生とか、外部の者に安易に言って欲しくないです」(60代男性)
「子どもの事より、大人の都合や思惑が優先されているのではないですか?」(70代)
「男児のおちんちんに機器とは。『あゝやっぱり福島の人と結婚すると奇形児が生まれる怖い、恐ろしい』と県外の人に思われてしまう」(70代女性)
「『過去を反省し未来を学べ』と呼び続けている姿。絶対にあった方が良い」(70代男性)
「福島の未来をみつめ守ってくれているようで勇気をもらえる。設置賛成!」(70代女性)
疾風のように現れて、疾風のように去って行った巨大モニュメント「サン・チャイルド」。様々な角度から市民の猛反発を受け、残ったのはさら地と厳重に梱包された作品。今後、再び福島市民の目に触れるか否かも全く決まっていない。保管場所すら明かされぬまま、お蔵入りとなった。
一般財団法人「ふくしま未来研究会」が今年6月20日付で福島市に提出した「寄付申込書」には、寄付の目的が次のように書かれている。
「再生可能エネルギーが未来の子どもたちへの贈り物となるべく再エネ促進の象徴、ならびに子どもたちへの情操の涵養の促進に資するため」
だが、その目的は果たされることは無かった。原発事故から90カ月目の福島市は、国や東電が思うほど原発事故の傷が浅くないようだ。
(了)
スポンサーサイト