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【原発避難者から住まいを奪うな】これが「ていねいに寄り添う」?都内イベントで避難者が〝直訴〟も内堀知事は無視。交流会で直接訴えても「住宅支援打ち切る」と福島県職員

年の瀬の都心に、原発事故避難者の怒りの声が響いた。福島県の〝復興〟をアピールする「ふくしま大交流フェスタ2018 –ALL FUKUSHIMA FESTA-」が9日、東京国際フォーラムで開かれ、避難者たちが横断幕を掲げて、福島県の内堀雅雄知事に「住宅支援打ち切り方針撤回」を訴えた。別会場で行われた避難者交流会でも避難者がそれぞれの言葉で住宅支援継続」を求めたが、内堀知事は傾聴するばかり。福島県職員も「打ち切り方針に変わりは無い」と一蹴した。来る3月末で〝自主避難者〟への家賃補助が終了する。帰還困難区域からの避難者への住宅提供も打ち切られる方針。2019年も、内堀知事は「避難者一人一人にていねいに寄り添う」と虚しく言い続けるのだろうか。


【「内堀知事、避難者を切り捨てないで」】
 広いホールには物販や移住促進、介護求人、東京五輪のブースが立ち並ぶ。ステージ上では福島県の内堀雅雄知事、俳優の六角精児、タレントの稲村亜美がトークショーで福島をPRした。日本酒や鉄道、野球・ソフトボールの試合開催(福島市)が決まっている東京五輪などで約30分間、「福島の魅力」が語られたが、内堀知事らがステージを去ろうとした瞬間、神奈川県への〝自主避難者〟や「福島原発かながわ訴訟を支援する会」(ふくかな)のメンバーたちが立ち上がった。昨年同様、内堀知事への〝直訴〟だった。
 「内堀知事、避難者を切り捨てないで!!!」
 青い横断幕には、そう書かれていた。3カ月後の2019年3月末、住宅無償提供打ち切り後の「経過措置」として実施されてきた〝自主避難者〟(避難指示区域外避難者)向け民間賃貸住宅家賃補助制度(1年目月額3万円、2年目月月2万円。収入要件あり)が打ち切られる。大熊町と双葉町を除く帰還困難区域からの避難者への住宅提供も2020年3月末で打ち切られる事が決まっている。
 生活の基盤である住まいを取り上げられては、路頭に迷う避難者が出かねない。原発事故さえ無ければ避難する必要は無かったのに、期限を決められた「自立」の強制を迫られる。実際、住宅無償提供打ち切りを機に自ら命を絶った避難者もいる。これ以上、悲劇を繰り返してはならないと必死に訴えたが、内堀知事は今年も完全無視。当事者と直接語り合う事無く、粛々と切り捨てを進める。内堀知事は「公務」を理由に囲み取材に応じなかったが、代わって取材対応(筆者と河北新報記者)した福島県避難者支援課の担当者が知事の意思を代弁するようにきっぱりと答えた。
 「いろいろなものを勘案して政策決定していくのが知事。今日(避難者から)言われたからと言ってパッと政策を変えるものでは無い。県知事選挙期間中に『ひだんれん』から寄せられた公開質問状にも、『〝自主避難者〟向け住宅支援打ち切り方針については変更無い』と答えている。今日の段階では、3月末で民間賃貸住宅入居者への家賃補助を終了する方針に変わりは無い」










①「内堀知事、避難者を切り捨てないで!!!」。今年も原発事故避難者が内堀知事に〝直訴〟した=東京都千代田区の東京国際フォーラム
②「福島原発かながわ訴訟」の原告団長も務める一方、国や福島県との交渉、街頭での署名集めなどに奔走する村田弘さん。避難者交流会では内堀知事に直接、住宅支援の継続を求めた
③JR有楽町駅前で道行く人々にビラを配り、署名への協力を求めた松本徳子さん。「避難を継続するも福島に戻るも、そもそも避難しないも、あらゆる選択が尊重され生活が保障される事が『子ども被災者支援法』の理念だったはず」と住宅支援継続を訴える
④「福島原発かながわ訴訟を支援する会」のメンバーも街頭に立ち、原発事故避難者の現状を訴えた
⑤村田さんや松本さんたちが配ったビラ。トークショー後の〝直訴行動〟では、周囲の観客から「私にもビラをください」と声がかかる場面もあった

【「当事者と会って」手紙渡した避難者も】
 「福島原発かながわ訴訟」の原告団長でもある村田弘さん(福島県南相馬市小高区から神奈川県横浜市内に避難中)は、内堀知事への〝直訴行動〟を終えると、別室で開かれた「ふくしま避難者交流会」に参加。避難元自治体ごとのテーブルを巡る内堀知事に直接、住宅支援継続を訴えた。
 「住宅の問題は本当に深刻なんですよ。僕のように神奈川県内に避難している人は、ほとんどが民間賃貸住宅に入居している。福島県の家賃補助制度(月額2万円)と神奈川県独自の支援策(月額1万円)によって辛うじて生活している人が多いんです。それらが来年3月でバッサリと無くなってしまうと一気に毎月の支出が3万円増えてしまう。本当にしんどいんです。そこはぜひ考えていただきたい。それをお願いしたいです」
 「住宅支援策を再開してもらいたい。切らないでもらいたい。本当にお願いしたいんです」。そう訴えたのは山田俊子さん(南相馬市から神奈川県内に避難中)。福島県郡山市からの避難を継続している松本徳子さんも「福島に帰る方もいるけれども、帰らない避難者、帰れない避難者から住宅を奪わないで欲しい。内堀知事から国に伝えて欲しい」と住宅支援策の打ち切り方針撤回を求めた。内堀知事は「うん、うん」、「なるほど」、「貴重なご意見」などと言いながら聴いていたが、3人の訴えに対して特に返答は無かったという。事実上の「再検討拒否」だった。
 南相馬市から山形県米沢市に避難中の上野寛さんは、山形県に避難した人々の想いをしたためた直筆の手紙を内堀知事に手渡した。
 「住宅をはじめ様々な問題がありますから、まず避難者と会って現状を聴いていただいて、建設的な意見交換をさせてもらえませんか、というのが手紙の趣旨です。それすら叶っていないのですから。ご検討の上、ご連絡をお待ちしておりますと書きました」
 当事者の話をまず聴いてから政策決定をして欲しいと考えるのは当然だ。内堀知事は手紙を受け取ると内ポケットに入れたという。
 なお、交流会場では「避難者のプライバシー保護」を理由に、冒頭の内堀知事挨拶以降は取材陣は退室を命じられた。内堀知事は、職員に促されるように避難者たちとの30分ほどの〝対話〟を終えると、囲み取材には応じずに会場を後にした。これが「避難者から直接話を聴いている」姿の実態だった。福島県によると、参加した避難者は64人だった。










①「ふくしま大交流フェスタ」会場には、東京五輪の野球・ソフトボールの福島市内での試合開催をPRするブースも設けられた
②③トークショーでは、俳優の六角精児、タレントの稲村亜美が内堀知事と「福島の魅力」について語り合った
④「ふくしま避難者交流会」に参加した避難者は64人。避難者から住宅支援策の継続を求める声があがったが、内堀知事は傾聴に徹したという
⑤交流会場に貼り出されたポスター。福島県の姿勢はあくまでも帰還政策一辺倒。福島に戻らない県民は切り捨てられていく

【渡辺復興相、小声で「すみません」】
 今月4日に開かれた衆議院の「東日本大震災復興特別委員会」。金子恵美委員(無所属の会、福島県第一区)の「〝自主避難者〟の方々ともっともっと接触していただきたい。生の声をぜひ聴いていただきたいが、そのような機会はありますか」との質問に対し、渡辺博道復興大臣は「現在、全国に26の、生活支援のNPOの皆さんがやっておりますが、これは間接情報でお話は聴いておりますが、時間があったら実際に自主避難している人たちにもお話をお伺いしたいと思っています」と答弁。〝自主避難者〟との面会に前向きな姿勢を見せた。
 一方で、山崎誠委員(立憲民主党・市民クラブ、比例代表東北)の質問に対しては、渡辺大臣は従来からの復興庁の認識を繰り返すばかりだった。
 山崎委員は渡辺大臣にこう語りかけた。
 「(避難先から)福島県に戻って生活している方々が大勢いらっしゃいます。その方々からすれば今まだ避難している特に区域外避難者の皆さんというのは例外的な方々かもしれない。そういう中で福島県として住宅支援制度を継続するのはどうですかと県民の皆さんに尋ねると、大多数の方は『もう良いんじゃないか』という意見になってしまうんですよ。でも、災害に遭われた被害者です。問題は、その方々がこのまま切り捨てられて生活困窮に陥って良いのかどうかなんです。私は、福島県の方々にこれ以上お願いするのは難しいのではないかと思っています。やっぱり国が責任持たなきゃいけないんですよ。放射能の汚染に対する認識は非常に幅が広い。1つの基準では切れない。これを福島県に投げてもなかなか答えが出せないんですよ。ここは国が取り残されてしまった少数の方々の面倒をしっかりと見るという意思表示をしてあげれば、多くの方々が救われる。そういう瀬戸際だと私は思っている」
 これに対し、渡辺大臣は「山崎委員の言う事、本当に私自身も感じておりますけれど、今の制度でいくならば、引き続き、やはり福島県と密に連絡をとってですね、被災者に寄り添って支援していく。それしか私の方針としてですね、言う事が出来ないんであります」と答えるにとどまった。そして、ようやく聞き取れるほどの小さい声で「すみません」と付け足した。
 復興大臣がいくら「すみません」と繰り返しても、原発事故避難者の切り捨て方針は変わらない。一刻も早く避難当事者と会って話を聴き、本当に住宅支援策の打ち切りが妥当かどうかを判断するべきだ。福島県の内堀知事が決断出来ない以上、国が主体的に避難者を救済するしか無い。そうで無ければ、避難者は安心して新年を迎えられない。



(了)
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プロフィール

鈴木博喜

Author:鈴木博喜
(メールは hirokix39@gmail.com まで)
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