FC2ブログ

記事一覧

【93カ月目の福島はいま】「国は福島県民の想いに寄り添っていますか?」~モニタリングポスト撤去問題の住民説明会で〝避難指示区域外〟に住んでいる人々が訴えたかった事

「リアルタイム線量測定システム」と呼ばれるモニタリングポスト(MP)の撤去計画問題で、原子力規制庁主催の住民説明会が今年6月から11月にかけて、福島県内15市町村で開かれた。そこでは、政府の避難指示が出されなかった区域で暮らしている人々の怒りや不安など様々な想いが噴出した。いまだ原子力緊急事態宣言下の福島。原発事故後、避難指示区域外の人々がどんな想いで暮らして来たかを考えたい。かなり長くなるが、これでもごくごく一部。頭ごなしに「そんなに不安なら避難すれば良いじゃないか」と言わず、まずは読んで欲しい。


【「自分の目で確かめて安心したい」】
 住民説明会で最も多かった声は当然、空間線量が下がった事を理由にMPの撤去を打ち出してきた原子力規制委員会への怒りであり、国への不信感。目に見えない放射性物質の存在を唯一、日常的に目で確認出来るのがMP.その撤去理由に「税金の使い道」まで挙げられては、住民たちが怒るのも当然だ。
▼「事故は今後起きないという保証はありませんね。さすがにこれは規制庁も言えないでしょう、それは。あったときに、我々は何を目安にして逃げるんですか。モニタリングポストを撤去ありきではなくて、私らの立場に立ってほしいと。国民の立場に立って物事を考えてほしい。絶対に減らすべきでない。それどころか、私の実感としては電柱の数ほど設置すべきだ」(郡山市の男性)
▼「やはり僕たちは目で見る、数字で見るというのが一番こう自分でも安心すると思うんです。だから、やはりこの今設置されているやつを減らさないで欲しいな。むしろ塵もダストも測定して欲しい」(郡山市の男性)
▼「私どもは町内会としては除染に努めていますが、2012年の郡山市の短歌祭では「町内会挙げて除染に精を出すアリが象の背洗うがごとし」という短歌が郡山市長賞になっています。河川敷とそのそばの通学路などにも設置していただきたい」(郡山市の女性)
▼「森林は全然除染していないので、まだ高いのは当たり前。0・23μSv/h以下になったから年間1mSv以下だよという話は間違い。それは街に暮らしている人の話であって、やっぱり農業者とか林業をやっている人は全然違うよという認識は、やっぱりちょっと持っていて欲しい」(福島市の男性)
▼「モニタリングポストの維持費の6億円は、なぜ税金なんでしょうか。東京電力に払ってもらうわけにいかないんでしょうか」(福島市の女性)
▼「我々は復興税、福島だけではありませんけれど、復興税を取られているわけですよね。だから、そういうことを考えると、今、国の政策として、30億かどうかわかりませんけれども、予算の関係でとこう言われても、こうして復興税まで払っている状況の下で、やはり予算の話は聞きたくない」(福島市の男性)
▼「そもそもは私たちの税金から払っているのはおかしい」(福島市の女性)
▼「我々は税金を払っていますので、我々の税金を、皆さんは我々のために取ってきていただくのが筋だと思います。予算の問題があるので設置継続出来ないんですよという言い方をされると、何かすごい不安になってしまいます」(白河市の男性)
▼「予算の話をするのであれば、何か今盛んに言っていますけれども、アメリカから買おうとしている陸上配備型イージスなんて4000億かかるとかって言っているわけでしょう、これ。私はやっぱり金の使い方だと思うんです」(郡山市の男性)
▼「福島市民の思いというのは、恐らくこのような短時間で語り尽くせるものではない」(福島市の男性)
▼「浪江のように、ここでも山火事が起こらないと言い切れない」(二本松市の男性)
▼「一時的に訪問する観光客などの配慮をするよりも、毎日、原発事故の影響のもとで不安な毎日を過ごしている県民のことを優先すべきだと思っています。モニタリングポストが撤去されれば、観光客や外国の方々が、もう福島県で原発事故が終わったというふうに認識して、そして、その認識のもとで、もう原発は終わっているんだからといって福島県民を切り捨てることになっていくんじゃないかという不安がある」(白河市の男性)
▼「自分の目で確かめて安心したいというのは、住民として当然の当たり前の気持ちではないでしょうか。その辺、理解してもらえているんでしょうか。それを無理して撤去したいとする姿勢を、私は全く理解できません」(いわき市の男性)






福島県内15市町村で開かれた住民説明会。テーマは「モニタリングポスト撤去の是非」だったが、住民の意見はそれにとどまらず、原発事故後に抱えている様々な不満が噴出した

【「決める人は福島に住んで欲しい」】
 国は「住民の想いを尊重する」、「寄り添う」と口にはするが、住民の胸には届いていない。原発事故後も避難が叶わず福島県内に暮らし続けている人々と霞が関の官僚たちとの温度差に対する声も多く出された。
▼「まだ緊急事態宣言の最中なんです。誰も経験したことない事故があって、その中で私たちはここに住んでいて、避難できる人もいれば避難しないでここにとどまって生活しなければいけない人もほとんどいるんです。被害者がここに住まざるを得ない、避難もできない。でも、ここで一生懸命住んでいるので、目に見えるものにしてほしい、可視化してほしい」(郡山市の女性)
▼「原子力規制庁というのは、その原子力のその危険性とかを規制するものであって、住民側を規制するものではないと私は思います」(二本松市の女性)
▼「御自身の生活圏が放射能汚染されているというふうに想定しても、この同じようなことが、低いから、このモニタリングポストは撤去しますよということが言えるのか」(二本松市の女性)
▼「やっぱり福島に住んでみないとわからないというのは結構あるんだと思うんですけど、私たちの気持ちに寄り添っているのかどうか、すごく疑問なんですよね」(二本松市の男性)
▼「私たちの日々の生活の一部として、明日の天気はどうか気温はどうかというのと同時に、やっぱり空間線量も日々意識して暮らしているということです」(二本松市の男性)
▼「4世代が同居している状況で、とても避難をしていくわけにもいかないし、もうこの場所で泣く泣くでも居なくちゃしようがないということで、いまだ生活をしております」(二本松市の女性)
▼「何で放射能のせいで私たちは苦しんでいるんですか。原発事故があったからなんですよね。国が進めてきたもの、それのせいで私たちは苦しんでいるんですよ。それなのに、なんで私たち住民に寄り添ってくれないんですか」(二本松市の女性)
▼「あなたたちは東京から来たと思うんですけども、自分たちがそこに住んでいないからその危機感というのはわからないんですよね。私たちはここに住まざるを得ない。モニタリングポストは目に見えるものだし、本当にそれが一つの、何て言うんだろう、今、私たちはここで生きていく一つのバロメーターなんです」(郡山市の女性)
▼「ずっとここに住んで欲しいんですよ。空間線量が低くなったから大丈夫だなんて言って欲しくないです。私たちは線量が安定している、もう大丈夫だなんていう気持ちでは生活してはないんですよ。常に不安を抱えながらやっているというのが現状なんですね。そのところをきちんと把握していただきたい」(郡山市の女性)
▼「しきい値というのは設けず、できるだけ低い数値で生活をしよう、子どもを守ろう、自分たちの命を守ろうということで、この事故を知り、放射能の怖さを知り、対策をとって今日まで来ています。線量が十分に下がっていないということを認識しながら、これらの線量をどうやったら低くして安全に暮らせるかということを、福島で安全に暮らせるかということを求めて生活してきておりました」(福島市の女性)
▼「オリンピックも近いですし、福島は聖火リレーをスタートさせる地点だというお話もありますし、どうしてそういうふうに思うかというと、今までの国なり東京電力の誠意のないいろいろな諸々があるわけですよ。福島の人たちは本当に我慢して暮らしているんですよね。ですから、決める方たちは福島に住んで欲しいと思います」(福島市の女性)
▼「とにかく事故を起こしたのは東電と国ですね。私たちは全く悪くないわけですよ。だから、最後まで、やっぱり廃炉がきちっと終わるまで、私たちは生きていないかもしれないけれども、廃炉がきちんと終わるまで責任を持ってほしい」(福島市の女性)
▼「私たち障害者は何か災害が起きたときでも急に逃げられないんです。体もこういう体ですので。だから、そういう存在もあるということを覚えていただければ非常にありがたいなと思います」(郡山市の男性)
▼「原発事故後の放射線量の極めて高かった2011年3月15日のときも、その日以降も、避難すべき値、一番高いときで23・88μSv/hありましたけれども、それにもかかわらず、私たちに何の連絡もありませんでした。ずっとずっとありませんでした」(福島市の男性)
▼「規制庁の方々は、福島市に住んでおられるかどうかわかりませんが、私たちは7年間住んでおりまして、ここで住んでいるんだという、その気持ちを分かって欲しい」(福島市の女性)
▼「市役所で線量計を貸し出していますから自分で測れって、いったい誰が起こした事故なの。7年しかたっていないんだよ。何考えているの」(福島市の男性)
▼「役所の人が、霞が関で考えている事と現地では大きな乖離がある。現状を案内しますから、今日帰らないで、ホテル代ぐらい払ってやるから泊まって見ていってください。全部案内するから。どこに行ったってこのグリーンのもの(除染土壌)があるんだ。自分の家のことを考えてくださいよ。自分のマンションにいるのか、公務員住宅にいるのか、戸建てにいるのかわからないけど、自分の家の周りにグリーンの放射能をみんな持って行ってください。運ぶから」(福島市の男性)
▼「原子力のことを安全だと思っている方たち、早くそれを撤去したほうが復興のためにいいんじゃないのみたいな感じで考えるかもしれませんけど、命を抱える女性はそういうふうには考えられないんです。地震があるたびに、原子力発電所は大丈夫かな、放射能は飛んでこないのかな、そんな生活をしているわけです」(福島市の女性)
▼「福島県民の人たちはおとなしい方たちばかりです。声を上げない。でも、今日こうやって来た参加されている方たちは、本当にいろんな思いで、普段は恐らく身近な人と話せる人、誰もいないようなそういう人たちもここに来ていると思います。どんな思いで生活しているか。やっとここで、ああ、同じ思いの人たちがいるなと思って発言されているんだと思います。そういう福島の状況を、ここに来られた方たちは酌んで帰っていただきたい」(福島市の女性)
▼「全く福島県民のことを思わない、勝手な言い分だと思います。身勝手な言い分だと思います。我々は、この土地を愛しています。だから、住みたいんです。かつというか、ここでしか働けないからです。そういう人たちのことを、あなたたちは何をもって、こういう放射線の監視体制なり何なりを予算がないから何とかしようなんて、そんなの屁理屈でしかないですよね。実際のことは、福島県民のことを考えたら、そんなことできるはずないでしょう。我々は怒っているんですよ」(白河市の男性)






放射性物質や除去された汚染土壌の存在が日常化してしまっている福島県。そこに住んでいない霞が関の官僚にモニタリングポストの撤去を決められたくないという想いは理解出来る=すべて福島市内で撮影

【「安全なら東京湾に汚染水流せ」】
 そもそも、原子力規制庁は本当に住民の声を聴く意思があるのか。住民説明会では、周知方法に対する意見も多く出た。
▼「新聞の折り込みチラシありますよね。あれと同じものを規制庁でつくったらどうでしょうか。そして、その窓口を市役所の広報なり何なりにやらせる。そこまでやるべきじゃないでしょうか。ここに集まっている方々は大体ネットとかやられていると思います。だけど、そうじゃない方もまだ郡山市内には大勢います。そういう方たちにこういう説明会を知らせるのには、最低限そのぐらいはするべきだとは私は思います」(郡山市の男性)
▼「新聞報道では開催の結果は報道されていても、大々的な予告報道は私はなかったように思っている。33万余の市民の隅々まで何を行っているのかということがわかるような広報宣伝。ホームページ見たって、そんなの見ろって言われたってほとんど見ないんですから。そういう具体的な工夫をきちんとしてやってください」(郡山市の男性)
▼「ホームページ見てください。何でもホームページですね。ホームページ見れる方はどれだけいますかね。若い人はいるかもしれないですけど」(郡山市の男性)
▼「こういうところに来れる人は、時間的、お金の余裕、生活の余裕があって、意識も割と高くて、表に知られてもいいと思っている人だと思うので、本当にごくわずかだと思う」(福島市の女性)
▼「結構ハードルが高かったと思いますよ。事前申し込みとかね、メールで事前に入れてくださいというのは。皆さん、フリーでいつでも来られるようにしてもらわないと、やっぱりなかなかみんな面倒だから『いいや』ってなっちゃう場合が多いと思うんですよね。そういうことも踏まえて、やっぱりきちんと情報を出すということの姿勢に私は欠けているではないかな」(福島市の男性)
▼「うちはFAXがあるんでやりましたけど、大方の方は、FAXというものを持っていない方も多分多いと思うし、ホームページも、高齢になると持っていない方のほうが大多数だと思うし、そこで随分違いが出てきてしまうので、本当に困って、知りたいと思った情報もちゃんと行き渡らないので、やり方としてはもっときめ細かくやっぱり相談をして進めていただきたい」(福島市の女性)
▼「今、安倍政権の姿勢がそうですよね。全てのことで民意を無視して、丁寧に説明すると言いながら、一向に丁寧に説明しないというのと重なる」(二本松市の男性)

 汚染土壌の再利用や処理済汚染水の海洋放出に関する意見もあった。
▼「8000Bq/kgまでの除染土壌は無規制で、各都道府県の建設、コンクリート資材として使えるというのがありました。規制庁の原子力防災に関する基準では100Bqじゃなかったんでしょうか。原発の敷地内で出た放射性廃棄物、これは100Bq/kgのはずですよね。今でもその基準は残っているはずです。なぜ、規制庁が環境省にそれはおかしいという話ができないんでしょうか。8000Bq/kgのものをばらまいて、安全だとしているのは環境省ですよね。なぜ基準が100Bqのものを持っている規制庁が何も言えないんですか。これは安全な数値と言えるんでしょうか。100Bq/kg。というのが原子力規制でありました、震災前から。それがなぜ環境省が8,000Bq/kgと言うのを平気でやらせるのかというところです。これが果たして規制庁は仕事をやっていると言えるんでしょうか」(郡山市の男性)
▼「除染したやつを何か土盛りしたりなんかするのに使うんだなんていう話も、時々、新聞とかニュースなんかで聞くんですけど、あんな事はしないようにして欲しいと思います」(福島市の女性)
▼「原発から出たトリチウムの汚染水を希釈して薄めて海に流すなんていうことは、ちょっととんでもない恐ろしいことだと私は思うんですよね。やめるようにぜひ働きかけていただければありがたい」(郡山市の男性)
▼「汚染水を流すというような問題がありますね。あれはね、やっぱり私はね、福島県でなくて、流すのであれば東京でも全部流すべきだと思うんですよ。福島県にだけ何でもないから流すということでなくて、何でもないから東京の場でも流すということをお願いしたい」(福島市の男性)
▼「トラックに積んで、東京湾で流したら、東京の人間はどう思いますかね。タンクで積んでいって、そのまんま東京湾の多摩川縁に流したら、どう思いますかね。福島県じゃないですよ、流していいと言っているのは、東京湾で流したらどうですか。東京電力のあの発電所で使っていた人間、福島県は使っていなかったはずですよ」(白河市の男性)

原子力規制庁側の見解はこうだった。
「規制庁はそこに対してどうこう言う立場じゃないというふうに認識しています」(南山力生地域原子力規制総括調整官)



(了)
スポンサーサイト

プロフィール

鈴木博喜

Author:鈴木博喜
(メールは hirokix39@gmail.com まで)
https://www.facebook.com/taminokoe/


福島取材への御支援をお願い致します。

・じぶん銀行 あいいろ支店 普通2460943 鈴木博喜
 (銀行コード0039 支店番号106)

・ゆうちょ銀行 普通 店番098 口座番号0537346

最新記事

最新コメント

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
ニュース
36位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
時事
14位
アクセスランキングを見る>>

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
ニュース
36位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
時事
14位
アクセスランキングを見る>>