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【福島県選出の法務大臣】立場が変われば何とやら。「検察庁法改正案」で答弁に窮した森まさ子大臣。野党時代に繰り返していた原発事故対応での政府批判

河井克行前法務大臣の辞任を受け、急きょ法務大臣に就任した森まさ子参院議員(福島県選挙区、いわき市、55歳)。就任から半年が経ったが、検察庁法改正案の審議でも答弁が迷走し、大臣の資質を問う声が絶えない。しかし、野党時代に起きた原発事故では、事故対応を巡って当時の菅直人政権を舌鋒鋭く攻めていた。当時の議事録を紐解くと、新型コロナウイルス問題での安倍政権にそっくりそのまま突き刺さる〝ブーメラン質問〟も多かった。大臣の答弁に何度も苦言を呈していた森大臣。自身の答弁には合格点を与えるのだろうか。
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【「『努力する』は聞き飽きた」】
 2011年4月15日の参議院消費者問題に関する特別委員会。森まさ子議員は原発事故後の「風評被害」に関する質問の中で、蓮舫大臣(消費者及び食品安全担当)に次のようにたたみかけた。

 「蓮舫大臣のおっしゃること一々もっともなんですが、全ての大臣がおっしゃっていることと全く同じなんです、抽象的なんです。私たち被災地の者は、そんな曖昧な言葉が聞きたいんじゃないんです。一生懸命全力で努力するという言葉はもう聞き飽きました」

 「私は風評被害を解消していきますと蓮舫大臣が福島県で9日におっしゃった。その後、13日に菅直人総理の発言(10年、20年住めないのではないかという発言)があった。そういうことであれば、選手宣誓のような、頑張ります、全力でやります、そういう言葉だけではなくて、例えば総理のところに行って、同じ内閣の一員ではないですか、閣議で顔も合わせるわけじゃないですか、そういうときに、いや、総理、言葉には気を付けてくださいと。やはりそういうことを言っていただきたい」

「私、その所掌を言うのも本当は気に食わないです。だって、今平時じゃないんですもの。緊急時です…明日食べていくものを売って農業者の方々、生活している方が多いんです、零細農家が」

「先ほどから質問に対して、何か蓮舫大臣の独自の考え方がなくて、私が言ったことを繰り返すということで、大変残念に思っています」

「風評被害が止まらないのは、政府の発表に、そこに何か足りないものがあるからなんです。それは、政治が責任を取るという姿勢なんですよ」

「危機管理のときには、スケール感とスピード感が大切と言われますけれども、それプラス被災地に寄り添う気持ちが大切です」

「大変残念です。後ろの方、もうささやきは結構です。私、今ちょっと確認のために質問しただけなので、大変驚きました。大臣になったときには、その省庁のよって立つ法律、これは勉強するものだと思います…私、その名前まで言えないなんというのは今とてもびっくりしたんですけれども、今は別に蓮舫大臣をいじめるために私質問しているわけじゃないので、ただ驚いたということだけを申し上げておきたいと思います」

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森まさ子法務大臣のホームページには「30秒でわかる!森まさこ」として、自身の生い立ちや弁護士を目指すまでがイラスト入りで紹介されている

【「2カ月間、義援金無し」】
 さすが「困っている人の味方」になりたくて弁護士を目指しただけの事はある。森まさ子議員は当時の菅直人政権をズバズバと追及していた。

 「私たちは本当に、ちょっと来て現場を見て、やりますと言って帰ってしまう、その後何にも動かないことに毎日毎日失望感を感じているんです。被災地の人間はこうやって、私はここに来ると本当に違和感を感じますけれども、普通に生活ができているわけじゃないんですよ。おととい、私が地元いわき市に行ったときだって避難所にいる女性の方に聞きましたよ、一か月たって現金が幾ら手元に来ましたか、1万円です。1万円ですよ。これは楢葉町という原発直下の町が、町長が何とかして基金を取り崩して配っているお金です。町から1万円しか来ないんです、1カ月たってですよ。国からも来ない、東電からも来ない、県からも来ない、日赤の義援金も来ない、何にも来ないんです。1万円で1カ月ですよ、信じられないことです」

 こう力強く質問したのも、この時の委員会だ。しかしどうだろう。この時に森議員が怒っていた事は、そっくりそのまま安倍政権のコロナ対策に当てはまらないだろうか。そういう視点で当時のやり取りを振り返ると、自身の発言がそのまま〝ブーメラン〟となって突き刺さってくる事に気付く。

 「現金が東電から一世帯100万円配られるということでございますが、被災地から逃げてきた住民は今は自費で払って生活をしておりますので、アパートを借りた方も自分でアパート代を払っております。全員が避難所、体育館に入れるわけでもない、ホテルに入れるわけでもない。そんなものは100万円いただいてもすぐ無くなってしまいます」(4月26日の参議院法務委員会)

 「浪江町の方、10日現在、いまだに一銭も現金をいただいていない。東電からの一世帯100万円、赤十字からの義援金35万円、県からの5万円、町からの2万円、どれも一銭も手元に届いていないということなんです。2カ月もこの支援金、義援金がない中で、非常に皆さん、憲法の二十五条の最低限度の生活、これができないような状態を送っていらっしゃる」(5月12日の参議院法務委員会)

 「福島県の原発地域の被災者にはいまだこの支援金や義援金などの現金は来ておりません。一昨日行ったときにも、まだ東電からの100万円も来ていない。日赤からの35万円も来ていない。県からも町からも来ていない。そういう中で避難を命令されて、泣く泣く移動しなければならない、行き先もまだはっきり決まっていない方々もいます。そういう中での避難であるということを申し上げて、そして住民の方々がおっしゃるのは、もう政府は信用できない、政府のことはもう当てにしていない…」(5月16日の参議院決算委員会)

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選挙などで野党を攻める時には威勢が良い森まさ子大臣。しかし、検察庁法改正案に関する答弁が迷走。資質に疑問が生じている

【「大臣、御答弁、簡潔に」】
 「(福島)県民の願いは、自分たちにかかわる、自分たちの命と健康にかかわる情報が欲しい、正確な情報が欲しい、これが当初からの願いでございます」

 2011年5月12日の参議院法務委員会では、SPEEDの情報が住民に知らされなかったI問題を追及した。

 「試算結果を迅速に公表することは国民の知る権利、これに資することではないかというふうに思います」

 「知る権利は、自分の命と健康、そういう必要な情報について妨げられることがない権利なんです」

 「一体どこがこの情報を握っていて、どんな権限で住民のその知る権利を握り潰したんですか」

 5月16日の参議院決算委員会では、改めて「これまでの政府、東電の対応は共通して、遅い、足りない、心がない、この三つでございます」、「政府に御答弁いただきたいんですけれども、もうこれ以上隠している情報はありませんね」、「先ほど申し上げたとおり、遅い、足りない、心がない、この3つを解消していただいて、どうか被災地、避難者の立場になった国の政策をしていただけるようにお願いを申し上げます」と政府を批判。そして、5月23日の参議院決算委員会では学校校庭の除染問題についても質している。実に被災者に〝寄り添った〟言葉が並んでいる。

 「今福島県で保護者の方が最も心配をしているのがこの校庭の表土の問題でございます…毎日毎日を生活をしている子どもたち、そしてその保護者のお母さん方の御意見を伺ってきますと、まずこの横によけてある表土、これをどこかに持っていってくださいということなんです。大臣がおっしゃった二つ目の方法の穴埋め方式では、校庭の中に穴を掘って埋めるだけです。これで、どれだけしみ出てくるかも分かりませんが、やはり子どもたちの精神的な状態に影響を与えると思うんですよ。校庭の片隅に高濃度の放射性物質が埋まっている、そんなところで伸び伸びと運動したり学んだりできないと思います」

 「現地も視察をしていただきたいと思います。郡山二中も私見てきたんですけど、盛り上げられた土の横で運動部が、野球部、陸上部、練習をしております。そういった光景も是非見ていただきたいと思います」

 「大臣、御答弁、簡潔にお願いいたします」、「東電が東電がという答弁は聞き飽きました」とも述べていた野党時代の森まさ子大臣。法務大臣としての自身の御答弁はどのように自己評価なさるのだろうか。



(了)
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鈴木博喜

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