【ALPS処理汚染水放出差止訴訟】「原発事故に続く『二重加害』許せぬ」151人が福島地裁に集団提訴 「一刻も早くストップさせる」10月末にも2次提訴を予定
- 2023/09/09
- 09:06
8月24日に始まった福島第一原発事故後の汚染水海洋放出を巡り、福島県民や福島県外に避難した計151人が8日午後、放出差止訴訟を福島地方裁判所に起こした。被告は東電と国(原子力規制委員会)。東電には海洋放出中止を、国には東電に対する認可などの取り消しを求めている。原告たちは雨の中、福島地裁までデモ行進し、「原発事故被害者に二重の被害を負わせるような海洋放出を何としてもやめさせたい」と改めて声をあげた。10月末にも2次提訴を予定しており、原告数は少なくとも300人を超える見通し。審理を担当する小川理佳裁判官が来年3月いっぱいで異動する見込みのため、弁論開始時期は不明だ。


【「何としてもやめさせたい」】
訴状によると、被告は東電と国(原子力規制委員会)。次の5点を求めている。
①国(原子力規制委員会)が2022年7月22日付で行った、東電に対する「特定原子力施設に係る実施計画の変更認可」が無効であることの確認
②上記変更認可の取り消し
③国(原子力規制委員会)が2023年5月10日付で行った、東電に対する「特定原子力施設に係る実施計画の変更認可」の取り消し
④国(原子力規制委員会)が2023年7月7日付で東電に対して行った、「使用前検査終了証交付」の取り消し
⑤東電は、ALPS処理された汚染水の海洋への放出をしてはならない
原告団事務局によると、原告になれるのは①福島県、茨城県、宮城県、岩手県、千葉県、東京都―の1都5県に住んでいる人②原発事故で①の1都5県から避難した人。募集を始めてから10日間ほどで300人以上が申し込んだが、書類の不備などで151人が原告になったという。事務局は今も原告を募っており、10月末にも2次提訴する予定だ。
13時から行われた事前集会では、原告共同代表の鈴木茂男さん(福島県いわき市)が次のように述べた。
「政府や東電は『福島の復興』と言いながら、福島に二重の負担を負わせるような海洋放出をなぜするのか。私たちは12年前に発生した原発事故の被害者です。現在でも避難している人が多くいます。生業が回復していない人もいます。被害が継続している人たちがまだまだ多くいます。国や東電が多くの県民の不安や反対を押し切って海洋放出を強行するということは、被害者や被災地に対して新たな被害を与えることだと思います。いわば〝二重の被害〟です。黙って見ていることはできません。原発事故被害者に二重の被害を負わせるような海洋放出を何としてもやめさせたい。今日はその第一歩です」
原告たちは雨の中、弁護団や支援者とともに福島地裁までデモ行進をし、訴状を提出した。




①雨の中、福島地裁までデモ行進した原告たち
②原告共同代表の鈴木茂男さんは「原発事故被害者に二重の被害を負わせるような海洋放出を何としてもやめさせたい」と述べた
③「人類史上最大の公害、犯罪になるんじゃないか」と危惧を口にしたのは、いわき市議の佐藤和良さん
④原告団の事務局として奔走する丹治杉江さん(いわき市)は「漁業の未来や食卓の安全の問題です。民主主義と社会正義の根幹にかかわる問題です。なんとしても放出差止を勝ち取りたい」と語った=福島市市民会館
【「声あげるのが大人の責任」】
提訴後の報告集会では、原告たちが想いを口にした。海洋放出に好意的なメディアへの不満も多かった。
いわき市の織田千代さん(「これ以上海を汚すな!市民会議」共同代表)
「『ALPS処理』は完全ではないのに、『処理水』と名付けています。漁業者をはじめ、あれだけの多くの反対があり、『約束を遵守する』『ていねいに説明する』と言っていたにもかかわらず放出が始まったらその点には触れず、まるで約束などなかったかのような状態です。本当に酷いです。いつの間にか中国との外交問題が中心の報道が続いていますが、中国以外の世界中から心配の声が寄せられています。さまざまな勧告や提言も寄せられています。それについては、メディアはちっとも取り上げません。ここにも政府の意図を感じます」
「福島で原発事故を経験した私たちは、事故が起きるとどうなるのかを、この12年以上にわたって散々見てきました。私たちには『これ以上、放射能を絶対に拡げるな』と警告する責任があります。私たちの声をないことにはできません。一刻も早く海洋放出をストップさせる。希望を捨てずにがんばりましょう」
いわき市議で、織田さんとともに「これ以上海を汚すな!市民会議」の共同代表を務める佐藤和良さん
「人類史上最大の公害、犯罪になるんじゃないか。マスコミに取り上げられるのは『小売りの魚屋さんががんばっています』ということばかり。そして『食べて応援』ということで岸田首相以下、西村経産大臣たちが急に海鮮丼を食べたりして『常磐ものは美味い』なんて言っています。それを30年間もやってられるんですか?と言いたいです。急に魚を喰うなよと言いたいです。そういう嘘、偽り、デタラメで成り立っているこの国の政治と原発事故対策について、私たちはずっと警鐘を鳴らしてきました。しかし、『処理水について語るのは良いが、汚染水の問題については言うな』という言論統制が幅をきかせるようになってきました。戦争の足音が近づいているのではないかと思います。非常に険しい、厳しい日本社会になってきたのではないか」
伊達市の後藤江美子さん
「生活者としての当たり前の常識が通用しないことに憤りを感じ、原告団に加わりました。大人として、今回の海洋放出を子どもたちに胸を張って言えますか?平気で嘘をつく、ごまかす…国や東電は人として大人として、とても恥ずかしいのではないでしょうか。廃炉の道筋も明らかにならないなかで、この先何十年放出が続くか分かりません。子や孫の世代を考えたら、もっと慎重な行動が求められていると思います。おかしいと思うことには声をあげる、行動することが大人の責任です。なんとしても裁判に勝ちたいです。声をあげましょう。行動しましょう」




①原告たちは、海洋放出強行を「原発事故発生に続く『二重加害だ』」として容認できないと訴えている
②「国と東電の姿勢を許すことはできない。この国の民主主義のあり方、社会正義がもっとも大きな課題となる」と語った広田次男弁護士
③河合弘之弁護士も「この闘いは『正義の闘い』だ」と語気を強めた
④福島地裁前には、フリーランスも含め国内外から多くの取材者が集まった
【「新たな放射能公害だ」】
弁護団共同代表の広田次男弁護士は「この国の民主主義のあり方、社会正義がもっとも大きな課題となる」と強調した。
「福島第一原発の敷地内には土地があるし、燃料デブリの取り出しなどできるかどうかも分からない。『土地がない』は明らかな嘘だ。新たな放射能公害を嘘に嘘を重ねて強行しようとしている。この国と東電の姿勢を許すことはできない。この国のあり方を左右する問題ではないか。いま抗議の叫び声をあげなければ、子や孫の世代からの『あなた方の世代は何をやっていたのですか』という問いに顔を上げて答えることができなくなる。何年かかるか非常に難しい裁判だが、最後までがんばる覚悟だ」
体調不良の海渡雄一弁護士に代わり、北村賢二郎弁護士が訴状の骨子を解説。
「IAEAの報告書には『日本政府の海洋放出方針を推奨するものでも支持するものでもないことを強調しておきたい』と明記されている。この報告書があるからといって海洋放出が正当化されるものではない」
河合弘之弁護士は「この闘いは『正義の闘い』だ」と語気を強めた。
「政府と東電はマスコミを総動員して『基準値以下だから大丈夫』という大キャンペーンを5年にわたって展開してきた。そのせいで『(海に流すのも)しょうがないのかなあ』という雰囲気が漂っている。その間違いを私たちは正さなければいけない。でも、裁判だけでは政策は変わらない。広範な国民運動、世界的な市民運動も立ち上げていきながら海洋投棄を止めるところまでもっていかなければいけない」
報告集会の最後に、原告団事務局として奔走する丹治杉江さん(いわき市)はこう語った。
「群馬県に避難した仲間で闘った『群馬訴訟』で国から何と言われたか。『あなたみたいな〝自主避難者〟に賠償するということは、国土の評価を下げることになる。だから賠償できない』。12年闘って、得た賠償金は25万円。裁判費用にもなりません。国も東電も『漁業者に十分な賠償をする』なんて言っているが、どこまで本当か分かりません。そもそも、どうやって償うのか。お金で解決できる問題ではありません。漁業の未来や食卓の安全の問題です。民主主義と社会正義の根幹にかかわる問題です。なんとしても放出差止を勝ち取りたい」
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(了)


【「何としてもやめさせたい」】
訴状によると、被告は東電と国(原子力規制委員会)。次の5点を求めている。
①国(原子力規制委員会)が2022年7月22日付で行った、東電に対する「特定原子力施設に係る実施計画の変更認可」が無効であることの確認
②上記変更認可の取り消し
③国(原子力規制委員会)が2023年5月10日付で行った、東電に対する「特定原子力施設に係る実施計画の変更認可」の取り消し
④国(原子力規制委員会)が2023年7月7日付で東電に対して行った、「使用前検査終了証交付」の取り消し
⑤東電は、ALPS処理された汚染水の海洋への放出をしてはならない
原告団事務局によると、原告になれるのは①福島県、茨城県、宮城県、岩手県、千葉県、東京都―の1都5県に住んでいる人②原発事故で①の1都5県から避難した人。募集を始めてから10日間ほどで300人以上が申し込んだが、書類の不備などで151人が原告になったという。事務局は今も原告を募っており、10月末にも2次提訴する予定だ。
13時から行われた事前集会では、原告共同代表の鈴木茂男さん(福島県いわき市)が次のように述べた。
「政府や東電は『福島の復興』と言いながら、福島に二重の負担を負わせるような海洋放出をなぜするのか。私たちは12年前に発生した原発事故の被害者です。現在でも避難している人が多くいます。生業が回復していない人もいます。被害が継続している人たちがまだまだ多くいます。国や東電が多くの県民の不安や反対を押し切って海洋放出を強行するということは、被害者や被災地に対して新たな被害を与えることだと思います。いわば〝二重の被害〟です。黙って見ていることはできません。原発事故被害者に二重の被害を負わせるような海洋放出を何としてもやめさせたい。今日はその第一歩です」
原告たちは雨の中、弁護団や支援者とともに福島地裁までデモ行進をし、訴状を提出した。




①雨の中、福島地裁までデモ行進した原告たち
②原告共同代表の鈴木茂男さんは「原発事故被害者に二重の被害を負わせるような海洋放出を何としてもやめさせたい」と述べた
③「人類史上最大の公害、犯罪になるんじゃないか」と危惧を口にしたのは、いわき市議の佐藤和良さん
④原告団の事務局として奔走する丹治杉江さん(いわき市)は「漁業の未来や食卓の安全の問題です。民主主義と社会正義の根幹にかかわる問題です。なんとしても放出差止を勝ち取りたい」と語った=福島市市民会館
【「声あげるのが大人の責任」】
提訴後の報告集会では、原告たちが想いを口にした。海洋放出に好意的なメディアへの不満も多かった。
いわき市の織田千代さん(「これ以上海を汚すな!市民会議」共同代表)
「『ALPS処理』は完全ではないのに、『処理水』と名付けています。漁業者をはじめ、あれだけの多くの反対があり、『約束を遵守する』『ていねいに説明する』と言っていたにもかかわらず放出が始まったらその点には触れず、まるで約束などなかったかのような状態です。本当に酷いです。いつの間にか中国との外交問題が中心の報道が続いていますが、中国以外の世界中から心配の声が寄せられています。さまざまな勧告や提言も寄せられています。それについては、メディアはちっとも取り上げません。ここにも政府の意図を感じます」
「福島で原発事故を経験した私たちは、事故が起きるとどうなるのかを、この12年以上にわたって散々見てきました。私たちには『これ以上、放射能を絶対に拡げるな』と警告する責任があります。私たちの声をないことにはできません。一刻も早く海洋放出をストップさせる。希望を捨てずにがんばりましょう」
いわき市議で、織田さんとともに「これ以上海を汚すな!市民会議」の共同代表を務める佐藤和良さん
「人類史上最大の公害、犯罪になるんじゃないか。マスコミに取り上げられるのは『小売りの魚屋さんががんばっています』ということばかり。そして『食べて応援』ということで岸田首相以下、西村経産大臣たちが急に海鮮丼を食べたりして『常磐ものは美味い』なんて言っています。それを30年間もやってられるんですか?と言いたいです。急に魚を喰うなよと言いたいです。そういう嘘、偽り、デタラメで成り立っているこの国の政治と原発事故対策について、私たちはずっと警鐘を鳴らしてきました。しかし、『処理水について語るのは良いが、汚染水の問題については言うな』という言論統制が幅をきかせるようになってきました。戦争の足音が近づいているのではないかと思います。非常に険しい、厳しい日本社会になってきたのではないか」
伊達市の後藤江美子さん
「生活者としての当たり前の常識が通用しないことに憤りを感じ、原告団に加わりました。大人として、今回の海洋放出を子どもたちに胸を張って言えますか?平気で嘘をつく、ごまかす…国や東電は人として大人として、とても恥ずかしいのではないでしょうか。廃炉の道筋も明らかにならないなかで、この先何十年放出が続くか分かりません。子や孫の世代を考えたら、もっと慎重な行動が求められていると思います。おかしいと思うことには声をあげる、行動することが大人の責任です。なんとしても裁判に勝ちたいです。声をあげましょう。行動しましょう」




①原告たちは、海洋放出強行を「原発事故発生に続く『二重加害だ』」として容認できないと訴えている
②「国と東電の姿勢を許すことはできない。この国の民主主義のあり方、社会正義がもっとも大きな課題となる」と語った広田次男弁護士
③河合弘之弁護士も「この闘いは『正義の闘い』だ」と語気を強めた
④福島地裁前には、フリーランスも含め国内外から多くの取材者が集まった
【「新たな放射能公害だ」】
弁護団共同代表の広田次男弁護士は「この国の民主主義のあり方、社会正義がもっとも大きな課題となる」と強調した。
「福島第一原発の敷地内には土地があるし、燃料デブリの取り出しなどできるかどうかも分からない。『土地がない』は明らかな嘘だ。新たな放射能公害を嘘に嘘を重ねて強行しようとしている。この国と東電の姿勢を許すことはできない。この国のあり方を左右する問題ではないか。いま抗議の叫び声をあげなければ、子や孫の世代からの『あなた方の世代は何をやっていたのですか』という問いに顔を上げて答えることができなくなる。何年かかるか非常に難しい裁判だが、最後までがんばる覚悟だ」
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「IAEAの報告書には『日本政府の海洋放出方針を推奨するものでも支持するものでもないことを強調しておきたい』と明記されている。この報告書があるからといって海洋放出が正当化されるものではない」
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(了)
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